ポラスグループの中央住宅は9月9日、同社2棟目の一棟リノベーションマンション「ルピアージュ田無」の記者見学会を行った。西武新宿線田無駅から徒歩10分の第一種低層住居専用地域に位置する全50戸で、5つのモデルルームから好みのプランを選べるのが特徴だ。
物件は、西武新宿線田無駅から徒歩10分、西東京市田無町7丁目の第一種低層住居専用地域に位置する3階建て全50戸。専有面積は73.45㎡、第1期(3戸)の価格は4,198万円~4,548万円。坪単価は200万円強。建物は平成5年2月に竣工。施工は長谷工コーポレーション。改修は長谷工リフォーム。改修完了は平成29年2月中旬予定。販売代理は長谷工アーベスト。
大手企業の社宅だったのをスケルトンでリノベーションし、共用部分・外構・植栽を一新。一部の住戸には最大52.85㎡の専用庭を設置。エントランスにはルーバーフェンスを設置。駐車場は38台分確保。
住戸プランは、費用負担がかからないものから270万円の5つのモデルルームを用意し、好みのプランを選べるのが特徴。
同社取締役マインドスクェア事業部長・金児正治氏は、「昨年分譲した『天王台』は残り3戸。いろいろなことを学んだ。今回はプランをパッケージ化して好みのものを選んでもらうようにし、施工したのが長谷工さんであり、今後の展開も考えて改修、販売代理も長谷工さんにお願いした。1棟リノベは『百合丘』21戸の仕込みも済んでおり、今後は年間2棟くらいを供給していきたい。事業部全体では来年度売り上げ100億円にチャレンジする」と語った。
◇ ◆ ◇
従前は大手企業の社宅で、建築確認が平成3年とあるからバブルがはじけた直後だ。分譲だったら坪単価は300万円近くしていたころだ。外観はタイル張りでバブル仕様であることをうかがわせた。
ただ、同社が昨年分譲した「天王台」は90㎡が中心で今回は73㎡。ここに大きな差がある。企業の社宅に対する考え方や用途(幹部用か一般社員向けか)の差が出ているようだ。
見学会で公開された5つのモデルルームは以下の通り。
①「Gathering House 笑顔のステーションを持つ家」(設計デザイン:中央住宅マインドスクェア事業部マンションDv、追加料金95万円)
②「SLOW HOUSE 包容力の豊かな家」(設計デザイン:中央住宅 マインドスクェア事業部女性チーム、追加料金115万円)
③「DECOR Houseデザインを魅せる家」(設計デザイン:中央住宅スタディ・スタイル一級建築士事務所、追加料金270万円)
④「DRESS HOUSE 優雅な時を奏でる家」(デザイン提案長谷工アーベスト、追加料金230万円)
⑤「Atelier HOUSE 『個』を大切にする家族の家」(デザイン提案:長谷工リフォーム、追加料金ゼロ)
記者が一番いいと思ったのは①「Gathering House 」だった。モデルルームは8月27日からオープンされており、2週間で40組ある来場者の一番人気もこのタイプだそうだ。すでに〝十八番(おはこ)〟となっている〝ピアキッチン〟が標準装備されている。
追加料金がもっとも高い270万円の③「DECOR House」は、建具や面材に「シナベニア」を多用し、コルク材の床、コンクリート打ちっぱなしの土間の提案など意欲的な作品ではある。世界的な流れを盛り込んだ企画意図もよくわかるのだが、「シナベニア」はいかにも「べニア板」仕様だ。同社が分譲する戸建てはいかにも「木」らしい素材感がある建具・家具を採用している。
他のプランはオーソドックスなものだ。従前の間取りプランは、中央に玄関があり、北側に2住戸、南側にリビングと和室(洋室)に振り分ける平凡な田の字型プランだったと思われるが、今回も基本的にはそれを踏襲するものだ。世帯構成が激変し、ニーズも多様化している現在、もっと大胆な提案があってもよかった。5つのプランとも全て3LDKだった。
ポラスグループ、“オールポラス”で初のリノベ 「天王台」はバブル仕様(2015/11/19)