鹿島建設、住友林業、ティー・イー・コンサルティング、三井住商建材の4社は9月9日、鹿島の純木質耐火集成材「FRウッド」の部材仕様を合理化し、約4割のコストダウンを実現した純木質耐火集成材の新規大臣認定を取得、9月から販売を開始したと発表した。
「FRウッド」は東京農工大学、国立研究開発法人 森林総合研究所、ティー・イー・コンサルティングと鹿島が共同で開発し、2012年3月に鹿島が大臣認定を取得。東京都内の飲食店舗「野菜倶楽部oto no ha Café」に実適用している。①国産スギ材を多用②木材を被覆せずに「あらわし」とし、かつ「構造部材」として利用可能③荷重支持部の周囲に難燃薬剤を注入し1時間の耐火性能を確保④鉄骨造より36%、鉄筋コンクリート造より47%の環境負荷低減が可能-などが特徴。
今回新たに取得した大臣認定は、①薬剤注入方法の改良により燃え止まり層の厚さを60mmまたは75mmから「50mm」にスリム化②インサイジング処理を1600孔/㎡から「800孔/㎡」に半減③梁の荷重支持部(無処理層)をスギから構造性能が優れた「カラマツ」へ変更-など仕様合理化によって約4割のコストダウンを実現した。
4社は今後、公共施設や教育施設、福祉施設など様々な建築用途を対象に、小規模から大規模な建物まで幅広く展開していくとし、混合構造の提案も行っていく。さらに、2時間耐火仕様についても、すでに加熱実験により耐火性能を確認しており、新たに大臣認定を取得し、実用化する。