モリモトの「ピアース下北沢」が好調な売れ行きを見せている。小田急線・京王線下北沢駅から徒歩5分の全37戸で、坪440~450万円の高単価ではあるが、若者を中心に人気が高い下北沢の駅近で、敷地南側が第一種低層住居専用地域の住環境の良さ、設備仕様の高さなどから先に供給したコンパクトの1Rと1LDKの第1期32戸が即日完売。残りの2LDKは10月中旬から11月上旬に分譲される。
物件は、京王井の頭線・小田急線下北沢駅から徒歩5分(2019年度末に開設予定の駅出入り口から徒歩4分)、世田谷区代沢5丁目の第一種中高層住居専用地域に位置する5階建て全37戸。第1期2次の専有面積は50.28~75.04㎡、坪単価は440~450万円の予定。竣工予定は平成29年7月上旬。設計・監理 は庵都市建築設計事務所。デザイン監修はフレグライン建築設計。施工は冨士工。
現地は、下北沢の商業エリアから外れた北下がりの第一種中高層住居専用地域に立地。敷地南側の道路を挟んだエリアは第一種低層住居専用地域。
モデルルームは設置されておらず、同社の本社機能があった「代官山ギャラリー」に模型とサンプルコーナーがあるのみだが、人気の高い住宅地の駅近で、しかも1LDK中心のマンションの供給は過去20年にさかのぼっても供給がないこと、設備仕様レベルが高いことなどから25.20~39.95㎡のワンルーム・1LDKが即日完売した。
残りの2LDK5戸のうち地階と1階のメゾネットタイプ4戸(67~75㎡)は価格を抑える模様で、億ションにはならないようだ。
販売を担当する同社のプロジェクトマネージャー・小檜山晃氏は、「下北沢にはコンパクト系の供給がありそうでないことから、設計(ロット割)を変更して南側にも各39・38・39・39㎡のプランを盛り込んだのが評価された。南側に道路があるので1階でも日照が確保され、上層階は高台の住宅地が展望できる。設備仕様は『ディアナコート浜田山』がベースになっており、リビングドアは突板、床は挽き板。2LDKも売れそう」と話している。
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この物件については、1カ月前に取材を申し込んだのだが、坪単価440~450万円でも売れると確信した。道路が狭く、蜘蛛の巣のような雑多な訳が分からない「下北沢」は好きではないが、若いころはよく酒を飲みにもいった。文化の香りのする街でもあり、若い人に人気なのはよく理解できる。
マンションの供給も最近はほとんどないので、多少価格が高くても売れると読んだ。
〝売れる〟と読んだもう一つの理由は設備仕様レベルの高さだ。「ディアナコート浜田山」の記事も読んでいただきたいが、同社の設備仕様の高さは追随を許さない。だからみんな人気になるのだ。
コンパクトは、ファミリーと混在する場合、北向きとか下層階とか条件の悪いところに設けるが、今回は南側に4スパン設置したのも正解だ。
他のコンパクトマンションの企画担当者に言いたい。〝本物〟を目指さないと、目の肥えたセレブにはまず通用しないということを。