2016年グッドデザイン賞を受賞した「ディアナコート祐天寺翠景」
昨日と今日で6つのマンションを見学取材した。若いころは1日に3物件、4物件を見学していたが、さすがに最近は1、2件くらいだ。フットワークがなくなってきたのと、デベロッパーの対応も厳しくなってきたからだ(かつてはアポなしでも対応するところが多かった)。
6物件はいずれも特徴があり、今すぐに記事にしたいのだが、その前にモリモトが今年のグッドデザイン賞で受賞した3案件のうちの一つ「モリモトのデザインコード」について触れたい。
今年のグッドデザイン賞は応募4,085件の中から1,229件が受賞した。住宅・不動産業界からもその関連を含めると50社くらいが受賞した。記者にも各社からメールで受賞のリリースがたくさん送られてきた。
しかし、各社の受賞作を一つひとつ紹介するには1日かかっても紹介しきれないのですべて書かないことに決めた。この場を借りて、紹介できなかったことをお詫びしたい。(「グッドデザイン大賞」候補に小田急電鉄とブルースタジオの「ホシノタニ団地」がノミネートされたのを喜びたい。団地だけでなく、地域の再生・活性化につながるはずだし、それが評価された)
なのに、どうして「モリモトのデザインコード」だけを紹介するのか。答えはただ一つ、同社のマンションが好きなのだ。〝本物〟を追求する姿勢を応援したいからだ。大手と伍して戦えるマンションデベロッパーはここしかない。
グッドデザイン賞のエントリー概要には次のようにある。
「住まう人の人生を豊かにし、街の価値となっていく。私たちモリモトが創造するのは個人、そして社会の財産となる住まい。土地を厳選し、その場所の魅力を十二分に引き出すマンションをつくることです。物件ごとに、手づくりするように、緻密につくりあげていく。唯一であることが基本であり、だからこそ住まう人それぞれにとってかけがえのないものとなる」
具体的な仕様はこうだ。
「フレームを一から検討し、最適な間取りをひとつずつ計画し『快適な住環境を提供する』。その特徴として『ワイドスパン』『逆梁』『ハイサッシ』『内廊下』『多種多様な住戸プラン』などを採用し、都心の限られた敷地においても周辺環境への配慮をしながら『快適な住環境』を獲得できるマンションブランドを目指している」
この提案に対して、審査委員の評価は「快適な住環境を提供するために実践されてきた、応募企業のマンションのデザインコードをまとめたものである。デザインコードの一つ一つが理にかなったものであり、それがバリエーション豊かに実現されていることが伺える」とある。
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概要や仕様の一つひとつはモリモトの専売特許ではない。〝うちも同じ提案を行っている〟という声が聞こえそうだ。審査員の評価もまた実にそっけないものだ。グッドデザイン賞の第2次審査では現物を審査することもあるが、基本的には行っていない。実際にものを見ないで評価するのもどうかと思うが、やむをえない。
「モリモトのデザインコード」を理解するためには、完成したマンションやモデルルームでの提案を見るしかない。
グッドデザイン賞の概要には、不動産企画部企画グループの7名のデザイナー「想い」が寄せられている。そこには「もはや固定化されてしまったマンションのつくり方に対して風穴を開け、住まい手に対しても選択肢が広がればと考えています」とある。
昨日今日見た6物件の中の一つが、モリモトの「ディアナコート日本橋浜町」だ。記事は日を改めて書くが、極めてデザイン性が高く、モデルルームは間違いなく〝本物〟を志向するユーザーの望み・欲求を満たすはずだ。ここにも「マンションの常識を覆す、風穴を開けようとするデザイナーの「想い」が込められている。