NTT都市開発(事業比率50%)、三菱地所レジデンス(同25%)、東急不動産(同20%)、長谷工コーポレーション(同5%)の4社共同マンション「ウエリス世田谷砧」を見学した。最寄り駅の小田急線祖師ヶ谷大蔵駅から徒歩15分とややあるが、周囲は住居系エリアで、坪単価が軒並み300万円を突破している世田谷区にあって290万円と300万円を切る。準都心部のマンションの今後を占う意味で一つのバロメータになる物件だ。
物件は、小田急線祖師ヶ谷大蔵駅から徒歩15分、世田谷区砧1丁目に位置する10階建て全182戸。第1期(戸数未定)の専有面積は70.04~94.25㎡、予定価格は5,300万円台〜9,500万円台(最多価格帯6,500万円台)、坪単価は290万円。竣工予定は2017年12月中旬。設計・施工・監理は長谷工コーポレーション。共用部のインテリアデザイン監修は建築家の南部昌亮氏。販売予定は10月下旬。
現地は研修所の跡地で、敷地の用途地域は第2種住居地域(容積率198%)だが、敷地の東側、北側、西側は第一種低層住居専用地域。砧公園までは徒歩9分。
建物は南東・南西向きが中心で、別棟としてクラブハウスか建設され、ラウンジ、コミュニティルーム、ゲストルーム、ライブラリー、学童保育などが設置される。
住戸プランは6200ミリスパンの76㎡が中心で、二重床・二重天井、ディスポーザ、食洗機、天然御影石キッチン天板などが標準装備。
NTT都市開発住宅事業本部分譲事業部・中村舜氏は、「周辺物件は分譲単価が高くなっているので、グロスを抑えるために専有面積の圧縮を図っている物件が多いが、当社は76㎡が中心。広めの面積を求めているお客さんのニーズに応えたい。周辺が第一種低層住居の開放感もアピールできるはず」と話している。
◇ ◆ ◇
住宅の質は基本的には広さだ。その点でこのマンションは3LDKで76㎡を確保している。別棟の共用施設も充実しておりいい物件だと思う。
問題はやはり駅から徒歩15分というアクセスだ。これは如何ともしがたい。駅からは遠いが、76㎡の3LDKならどのような暮らし方ができるか、充実した共用施設の価値をしっかり伝える以外にない。
それにしても、新宿や渋谷までドアツードアで30分圏の城西エリアのマンションは坪単価250~300万円が相場だ。普通の会社員の取得限界を超えてきている。何とかならないのか。