記者は50年以上の西武ライオンズ(前西鉄ライオンズ)ファンで、球団が所沢に移転してきたとき球場の近くの戸建てかマンションの購入を考えたほど熱を入れたことがあるが、サッカーにはまるで興味がない。国際試合は必ず観て日本を応援するが、国内の試合は浦和が勝とうが大阪が勝とうがどうでもよく、それよりも頭突きをしたり、得点するとユニフォームを脱いで裸になり卑猥な踊りもしたりする、退屈で野蛮なサッカーのどこがいいのかと思っている。
また、街のポテンシャルはホテル、デパート、食など文化の集積が重要で、その点からしてわが多摩ニュータウンに勝るところはないと思っている。坂の多さを批判する人がいるが、起伏の多い街は景観を美しくする利点もある。千葉や埼玉の大規模住宅地の人気がいま一つなのは、起伏に乏しい地形にも一因があると思っている。
そんな記者の独断と偏見の物差しで、NTT都市開発他「ウエリス浦和美園」を紹介することを了解していただきたい。
まず、「浦和美園」について。300ha超に及ぶ土地区画整理事業「みそのウイングシティ」の都市計画決定がなされたのは1999年。バブル崩壊により事態が深刻になっていたころで、前途多難を思わせた。埼玉県やさいたま市も事業に関与していた。
そして、2001年に埼玉高速鉄道浦和美園駅が開業し、浦和レッズが本拠とする埼玉スタジアムも完成した。2006年には「イオンモール浦和」が開業。その前後にポラスの大規模戸建て分譲が行われ人気になったが、東急不動産他のマンション「センターフィールド浦和美園」(197戸)は完売まで相当時間がかかった。
記者はこの10年間、4~5回取材に浦和美園を訪れている。街の開発スピードは遅々として進んでいないと思う。もっと早い段階から民間〝活力〟を導入し、街の未来像を描くべきだった。駅前は貧しいのに、どうして駅から15分もかかるところにスタジアムを建設したのか。サッカーファンはやさしいのか、野球ファンなら怒る。街路樹も貧弱だ。官主導の土地区画整理事業は時代遅れの開発スキームだ。
ところが、2020年東京オリンピックの会場に埼玉スタジアムが選ばれたこともあるのだろうか、ここにきて動きが出てきた。駅前に公共複合施設が開設され、順天堂大学附属病院、商業施設「ウニクス」の進出も決まった。約14,000㎡の公園も整備される。最近は三井不動産レジデンシャルやポラスの戸建て分譲が人気を呼んだ。近く、さいたま市の先進的モデルタウンの戸建て分譲も始まる。
「浦和美園」はそんな街だ。駅舎、駅前広場は浦和レッズ一色で、チームカラーのレッドは広島カープ同様なかなかいい色だと思う。
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さて、これからが本番。ここまで辛抱強く読んでくださった浦和レッズファンはもちろん、もはやマンションの取得は絶望的と思っている圧倒的多数派のサラリーマンの方にもう少し辛抱して以下を読んでいただきたい。
「ウエリス浦和美園」は、埼玉高速鉄道線浦和美園駅から徒歩7分、埼玉県さいたま市緑区大字下野田字新道下に位置する15階建て「サウステラス」380戸と「ノーステラス」317戸の合計697戸の規模。現在分譲中の「サウステラス」の専有面積は70.11~92.84㎡、価格は3,478万~5,548万円(最多価格帯3,900万円台)、坪単価は175万円。竣工は「サウステラス」が2016年12月中旬、「ノーステラス」が2018年4月上旬。施工は川口土木建築工業。売主は同社(事業比率80%)のほか川口土木建築工業(同20%)。販売代理は住友不動産販売、東急リバブル。
物件の特徴は、敷地の南側に約14,000haの公園予定地が広がり、敷地の東側には魚も泳ぐ綾瀬川に隣接している環境のよさだ。販売を担当する住友不動産販売の担当者によると、「始発駅であるので朝の通勤時には座れるし、地下を走るので遅延がほとんどない」とのことだ。
住戸プランでは、埼玉県初のマンション向けエネファームを全戸に搭載しており、二重床・二重天井、ディスポーザ、「良水工房」が標準装備。コミュニティプログラムは当初1年間、事業主が費用を負担して支援する。
分譲開始から約1年半、これまで「サウステラス」の約160戸が契約済みだ。「サウステラス」の竣工を前後して全317戸の「ノーステラス」の分譲が始まる。
「ノーステラス」の特徴は、専有面積63~130㎡のプランバリエーションが全87タイプと豊富で、とくに75㎡の4LDKを設けているのに注目したい。このタイプは、ナイスが採用して成功したように、部屋数を確保したいファミリーをターゲットにしたものだ。
さらに、70㎡の3LDKのプランは、間口を6,400ミリ(サウステラスは6,000ミリ)とするなど広くし、横長リビングにしたり収納に工夫を凝らしたりしている。
また、これは「サウステラス」もそうだが、70㎡台の後半のプランの廊下幅を広いものは約1,400ミリとするなどすべてメーターモジュールにしているのも大きな特徴だ。
価格についてはユーザーが判断することだが、レッズファンにはたまらないマンションではないか。設備仕様などは他のこれくらいの単価のマンションよりは優れているといえる。多摩ニュータウンなら坪200万円を突破するはずだ。勝敗のカギは物件の特性をどうアピールするかだ。
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同社のマンションブランド「ウエリス」について。昨年の5月、「ウエリス銀座」を取材したとき、どうして物件名が「ウェリス」でないのか悩んでしまった。NTT都市開発ともあろうものが物件名を間違えるはずがない、記者の目が悪いので「ェ」が「エ」に見えるのだろうかと何度も確認し、結局、「ウエリス」にしたのだが、それまでの記事は全て間違っていたのだろうかと冷や汗が出た。
何のことはない。同社が昨年1月、ブランド名「WELLITH(ウェリス)」を「Wellith(ウエリス)」に変更したのを記者は知らなかっただけのことだった。どうして「Wellith」を「ウエリス」と読ませるのか不思議だが、旧仮名遣いでは拗音・促音はほとんど大文字だったから、まあいいか。
同社によると、今も「ウェリス」と「ウエリス」が混在しているのだという。