大和地所レジデンスが11月5日、ユーロデザインを採用した大規模分譲戸建て「ヴェレーナガーデン千葉ニュータウン中央」のモデルハウスをオープンする。UR都市機構から2年前に用地を取得、造成を行った全275区画の住宅地で、1社単独としては千葉ニュータウン最大級。1棟1棟すべてプランが異なるユーロデザインにユーザーがどのような反応を見せるか。
物件は、北総線・成田スカイアクセス線千葉ニュータウン中央駅から徒歩10分、印西市武西学園台3丁目に位置する開発面積約62,000㎡、予定区画はⅠ街区137区画、Ⅱ街区138区画の合計275区画。施工は東急建設、細田工務店、エステーホーム。構造・工法は木造2階建・枠組壁工法。I街区の第1期1次の土地面積は170.10²〜172.38㎡、建物面積107.22~116.21㎡、価格は未定だが、4,000万円台が中心になる模様だ。先行着工20棟の竣工は2016年9月下旬~2016年12月中旬を予定。Ⅱ街区の着工は2018年の予定。
特徴は、同社のマンションブランド〝ヴェレーナ〟同様、南仏のユーロデザインをモチーフにしたデザインを採用。敷地入り口にユーロゲートを設置、幅員6メートルのメインストリートの街路樹にパームツリーを採用するほか、インターロッキング舗装を施し、コミュニティをサポートする共用棟(カーサユニオン)も設置する。敷地に隣接して公園も整備される。
先行して着工した20区画の住戸プランは、15区画に「勝手口」「サブエントランス」「ミセスコーナー・テラス」が設けられている。このほか、マルチカウンター付き、2層吹き抜け付き、サンルーム+ギャラリーサロン付き、シェアホール付き、インナーガレージ付きなど1棟1棟すべてに特徴を持たせている。
◇ ◆ ◇
同社の分譲戸建てを見学するのは初めてだったが、この10年間で約300戸を供給しているという。今回の規模は過去10年間の規模に迫るだけに力が入っていることがストレートに伝わってきた。
外観は予想通りユーロスタイル。ライムストーン調の外壁、ボーダー、レンガ調の門柱、アール状デザイン、スペイン風瓦、ロートアイアン調門扉などを多用している。カラーリングなどはポラス、野村不動産などの戸建てに近いものがある。
見学する人はびっくりするかもしれないが、千葉ニュータウンにはこのような南仏、南欧をモチーフにした商業施設も多い。ニュータウン居住者は違和感を抱かないかもしれない。
◇ ◆ ◇
印西市とUR都市機構(土地所有者は民間かも知れないが)には注文もある。駅から現地までには中高層のマンションも多いのだが、空き地も相当ある。その空き地は子どもの背丈ほどもある雑草が生い茂り、街路樹の植え込みも雑草だらけだった。
印西市は、東洋経済新報社の「住みよさランキング」で5年連続1位だそうだが、駅前の一等地に空き地が目立ち、雑草が生い茂る光景はとても住みよい街とは思えない。
市もURも沿道の植え込みや空き地の管理くらいきちんとやってほしい。千葉ニュータウンのマンション分譲や戸建て分譲が始まったころは、空き地には印西市の市花であるコスモスが植えられ、楽しませてくれた。20年くらい前だろうか、滝野地区の戸建て分譲が開始されたころはお客さんが殺到し100戸、200戸規模で即日完売した。
この20年間に、住みよさより生活利便性が最優先される時代に劇的に変わったこともあるが、「住みよさランキング」全国トップの一等地の戸建ての土地面積が50坪あり、建物も100㎡以上あって4,000万円台とは…市とURとデベロッパーが力を合わせて千葉ニュータウンの活性化に取り組んでほしい。
分譲戸建てから「勝手口」が消える わが国の文化の崩壊ここにも(2016/10/31)