日本土地建物・東京建物・日建設計・清水建設の4社が特定業務代行者として完成させた「KYOBASHI EDOGRAND(京橋エドグラン)」が11月25日オープンする。前日24日、メディア向けに公開された。
記者は地下1階の共用部分といくつかの店舗のデザイン・アートに驚愕した。取材中ばったり出会ったテレビ東京「開運!なんでも鑑定団」のレギュラー出演者で、京橋生まれで京橋育ちのトーイズ・北原照久代表取締役の案内で、トーイズが賃貸している共用部分などのアート作品、おもちゃコレクションを見て回った。
見るだけで楽しく戦前戦後の世相が見えてくる。素晴らしい〝作品〟ばかりなのに驚愕した。北原代表は賃貸料を明らかにしなかったが、近くにあるブリヂストン美術館の名作に匹敵する価値がある。しかも無料だ。東京に新名所が誕生した。
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「KYOBASHI EDOGRAND(京橋エドグラン)」は、東京メトロ銀座線京橋駅に直結。敷地面積約8,000㎡、事務所、店舗、公共公益施設などからなる地下3階地上32階建て延べ床面積約113,000㎡。事業主は京橋二丁目西地区市街地再開発組合。設計監理は日建設計。施工は清水建設。特定業務代行は日本土地建物・東京建物・日建設計・清水建設。組合は2006年2月に設立され、2009年6月に都市計画決定された。
主な特徴は、①京橋エリア最大級・国内最高クラスのスペックを誇る超高層免震②高さ31mの吹き抜け空間など多様なオープンスペース③歴史的建造物「明治屋京橋ビル」を保存再生④タウンマネジメントの展開⑤中央区の情報発信拠点「中央区観光情報センター」の開設-など。
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内覧会では、冒頭紹介した北原照久氏のコレクションのほかいくつか見学し、試食もさせていただいた。
まず、「中央区観光情報センター」。広さは約134㎡。江戸時代の地図と昭和22年以降のNASAの協力を得て作成したという中央区の空撮写真が刻々と展開する「オーバービュー」にびっくりした。ファミコンのコントローラーのようなものを操作すれば、区の50スポットが日本語、英語、中国語、韓国語で紹介される。
店舗は「北大路 京橋茶寮」を取材した。これが最高に素晴らしかった。わが国の伝統的な仕上げと現代的なデザインを融合させた造りになっているのが特徴で、ヒノキ、ケヤキ、栃の無垢材などをふんだんに用いた面材・家具調度品、浮造りの床、大谷石の壁、手すき和紙の漆・柿渋仕上げ、備前焼き、鉄器、江戸唐紙などが目を楽しませてくれる。
驚いたのは「試食会」。試食だから料理が少し提供されるのかと思ったら、何と普段は4,000円もする和食料理が出された。記者は、このような和食(中華もイタリアンもそうだが)が出されるとパブロフの犬のように酒を飲まずにはいられない。なので「すいません。お金はちゃんと払いますので、日本酒をお願いできますか」と栃木の酒「くどき上手」1合を頼んだ。瞬く間に飲んだのだが、料理が全然減らない。残したら失礼だと思い、また酒を1合頼んだ。お猪口が銅製でちゃんと冷やされていた。もちろん、酒代3,080円はきちんと支払った。
「中央区観光情報センター」と「京橋茶寮」、さらにオープンイノベーションオフィス「SENQ(センク)」と北原氏のコレクションを見て満足し、帰り際に明治屋の店舗「明治屋ワイン亭」をのぞいたら、輸入ワインが飲めるというのでグラスに一杯どころか2杯も頂いた。これがまたおいしかった。
最後になったが、「SENQ(センク)」もなかなかいい。法人登記もできる個室6室のほかブース11室、ラウンジ63席とシェアキッチン、会議室のほか、カフェ「ミカフェート カフェアンドブラッスリーSENQ京橋」が併設されている。