野村不動産が12月に分譲する「オハナ蕨錦町」を見学した。埼京線戸田駅から徒歩14分とややあるが、坪単価は180万円を切る可能性があり、圧倒的な価格の安さが周辺物件や郊外物件に影響を与えるかもしれない。
物件は、埼京線戸田駅から徒歩14分、または京浜東北線蕨駅から徒歩19分、蕨市錦町2丁目に位置する11階建て全129戸。専有面積は68.87~82.54㎡、予定価格は3,400万円台~4,900万円台、坪単価は調整中で180万円を切る可能性もありそうだ。竣工予定は平成30年2月。施工は長谷工コーポレーション。
現地は用途地域が工業地域。大日本インキの元社宅跡地で、従前は「やまとの湯」として地元に親しまれていたスーパー銭湯。
建物は南向きで、専有面積は68㎡、72㎡、75㎡、82㎡の4タイプ。設備仕様はこれまでの〝オハナ〟とほぼ同じ。キッチンシンク下は可変ニースペース付きで、スロップシンクが標準装備。
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これまで同社の「オハナ」シリーズは2011年の第一弾「八坂萩山町」から「平塚」「茅ヶ崎」「八王子」「淵野辺」「ふじみ野」「北戸田」「北習志野」など郊外ばかりだったが、最寄駅から都心へのアクセスでは今回の「蕨錦町」がもっとも近いのが特徴だ。池袋、新宿、渋谷、東京へ30分圏内だ。これがユーザーにどう評価されるか。
ただ、徒歩10分圏内に蕨市役所、保育園、幼稚園、中学校、図書館、スーパー、公園などの生活施設は整っているが、用途地域が工業地域であることからも分かるように、住環境はお世辞にもいいとは言えない。これがまたユーザーにどう評価されるか。
記者も読めない。従前がスーパー銭湯だったのを利用して「温泉付き」にしたら早期完売できたと思うが、維持・管理が大変なのでそうならなかったのだろう。
ちなみに2013年に分譲された「オハナ北戸田ガーデニア」(277戸)の第1期第1次分譲は145戸で、坪単価は142万円だった。ここも住環境はあまりよくなかったが瞬く間に売れた。この3年間で市場は激変した。坪単価は2~3割も上昇したのに実質賃金が下落し続けている-ここにすべての問題がある。
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