三井不動産は12月1日、「(仮称)豊洲二丁目駅前地区第一種市街地再開発事業2‐1街区AC棟」を着工した。
同事業は、豊洲駅前の「豊洲二丁目駅前地区第一種市街地再開発事業」の一環として、昨年6月に竣工した江東区豊洲シビックセンター、今年11月に竣工した東京消防庁深川消防署豊洲出張所に続く建物整備事業で、事業地の地権者であるIHIとの代表施行者として推進しているもの。
東京メトロ有楽町線豊洲駅、ゆりかもめ豊洲駅前の約1.9万㎡の敷地(2-1街区では計約2.8万㎡)に免震構造による36階建てオフィス・ホテル・商業などのAC棟と、階数未定の商業・エネルギーセンターなどのB棟を建設する。オフィス機能を中心としたミクストユースの大規模再開発で、延床面積は約18.4万㎡(来年着工予定のB棟と併せて約25.9万㎡)となり豊洲エリアで最大級となる。AC棟は2020年4月、B棟は2020年度下半期竣工予定。施工は大成建設。事業費は非公表だが、1,000億円を超える模様。
AC棟は、最先端の機能を備えたオフィスに加え、隣接する「ららぽーと豊洲」の機能を拡大する商業ゾーン、同社グループが直営するホテルゾーンを設けるほか、同社としては日本橋エリアに次いで2番目の事例となる、「電気」と「熱」の供給を行うエネルギーセンターを設置し、さらなるBCPの強化を図る。
ホテルは36階がフロントなど、33階から35階が約225室の客異質フロアとなる。360°のベイビューとアーバンビューを〝売り〟にパノラマビュー大浴場やビューバスプランのある客室も用意する。
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三井不動産のビルやマンションのビッグプロジェクトを施工するのは圧倒的に鹿島建設と清水建設が多い印象を受けるので、同社に聞いてみたが特別の理由はないそうで、横浜三井ビルやいま施工中の東京ガス、三菱地所との共同事業「(仮称)TGMM芝浦プロジェクト」も大成建設だ。
もう一つ気になるのはBRT(バス ラビット トランジット)計画で、都心と臨海副都心をBRTで結ぶことによって交通需要の増大に対応しようという計画が東京都で進められている。
詳細は未定だが、このシステムがうまくいけば、いま三井不動産レジデンシャルが中央区晴海2丁目で開発中の超高層マンション(1,120戸)は「勝どき」駅に出るより「豊洲」駅に出るほうが便利になるのではないかと思う。
そうなると、今回の再開発事業地に近接している東急不動産のマンションとの競合関係が生じるのかどうかが気になってくる。「中央区晴海」と「江東区豊洲」のマンションはどちらが高くなるのか、気になるところだ。東急のマンションの坪単価は400万円をはるかに突破すると思われる。
さらに湾岸でいえば、住友不動産の「(仮称)東京ベイ トリプルタワープロジェクト」(1,539戸)があるし「オリンピック選手村」(賃貸含め5,650戸)も控えている。「豊洲移転」も絡んで当分、湾岸エリアは賑やかになる。
外観パース