三菱地所レジデンスが分譲中の一戸建て「ザ・パークハウス ステージ奥沢東玉川」を見学した。三菱地所ホームが施工した全21戸で、昨秋から分譲を開始し、これまでに14戸か成約済みだ。
物件は、東急池上線雪が谷大塚駅から徒歩8分、世田谷区東玉川1丁目に位置する三菱銀行の社宅跡地の全21戸。現在分譲中(5戸)の土地面積は102.78~120.87㎡、建物面積は97.00~102.67㎡、価格は89,800,000円~108,800,000円。構造は木造枠組工法(2×4工法)2階建て。建物は昨年7月完成済み。施工は三菱地所ホーム。
現地は、一戸建てが建ち並ぶ緩やかな傾斜地の一角。開発道路は一部インターロッキング舗装。21戸のうち4戸は三菱地所ホームの全館空調「エアロテック」が装備されていたがすでに販売済み。
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恥ずかしいことだが、同社の分譲一戸建てを見学するのはいつ以来か。記憶にない。首都圏では「金沢文庫パークタウン」以来か。
なぜか、これは記者が怠慢だったことよりも、同社がバブル崩壊後供給しなくなったせいのほうが大きい。同社は2013年秋に一戸建てシリーズ「ザ・パークハウス ステージ」を立ち上げるとプレス・リリースしたが、その時点でも〝本気〟で都市型戸建て市場に参入するとは思えなかった。同社によると、2013年度から16年度までの供給実績は201戸だ。年間にして約50戸のペースだ。
トップを走る三井不動産レジデンシャルが年間700~900戸くらい供給しているのと雲泥の差だ。三井レジは、バブル崩壊後いち早く面開発からの撤退を決め、その代わりに回転率の速い都市型戸建てを継続して供給してきた。
この差が出ている格好だ。価格が価格で市場の反映とは言え、三菱地所ともあろうものが全21戸の戸建てを売るのに1年くらいかかるとは情けない。かつてリーマン・ショックの直後、三井レジが同じ石川台駅が最寄り駅の1億円前後の「ファインコート」を1カ月くらいで完売したのを取材して記事にしている。デザインもそうだが、緑量が圧倒的に異なると思った。
しかし、同社とていつも三井の後塵を拝するわけにはいかないはずだ。起死回生の主客を転倒させる武器は「エアロテック」だと確信する。「エネファーム」「ZEH」をしのぐインパクトがある。これのよさは経験しないとわからない。全ての供給物件に採用して他社との差別化を図ってほしい。企画-施工-販売ともオール三菱で挑めば三井と互角に戦えると見たがどうだろう。