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2017/05/11(木) 12:13

深刻な事態浮き彫りに 「週刊住宅」の破たんを記事にしない競合紙「住宅新報」なぜ

投稿者:  牧田司

 5月9日付「住宅新報」には「週刊住宅」が破たんしたことが全く掲載されていない。「週刊住宅」が事業を停止し自己破産する意向であることは5月1日に分かった。「住宅新報」もWebで短く報じた。それから1週間近くあったはずなのになぜ掲載されていないか。他の記事には相変わらず日にちの明示がないものや「このほど」などいつのことやらわからない記事もあるのだが、5月1日に行われた会見記事も掲載されているので、書く時間的ゆとりがなかったということでもなさそうだ。

 媒体が何を書こうが無視するか、それぞれ社の方針や編集責任者の判断に任される。「週刊住宅」の破たんを報じないのも同社の勝手といえば勝手だ。

 しかし、書くに値しない出来事ならともかく、業態がほとんど一緒の競合紙であり、また時には手を携える〝身内〟のような存在の〝死〟に対して無視ではないだろうが1行も触れないという意図が分からない。

 この点について別の記者は〝明日は我が身と考えているから〟と話し、また別の記者は〝武士の情け。書けないことがたくさんあるのでしょ〟とかばった。言い得て妙ではあるが、記者は身内の〝死〟を報じない何と非情な媒体であり、書けない事情があるとすればそれほど深刻な事態を抱えているのかと勘繰らざるを得ない。

 住宅・不動産業界の日々生起する事象を読者に伝え、業界紙ならではの視点で論評するのが業界紙の役割・使命であるとするならば、今回の「住宅新報」は大きな汚点を残した。追悼、追従の記事でもいいから書いてほしかった。

 「週刊住宅」の破たんについて、先の記者は「高度情報化社会がもたらした情報の相対的な価値の低下」が背景にあると語っているが、書く側がその情報の価値判断ができず、独自の視座を持たないとすればそれはジャーナリズムではない。

 

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