マンション管理業協会は5月18日、理事会を開き同日付で新しい理事長に岡本潮氏(東急コミュニティー会長)を選んだ。山根弘美理事長(大和ライフネクスト会長)は相談役に就任した。相談役の黒住昌昭氏は退任した。
岡本氏は昭和24年9月15日生まれ。同49年3月、東京大学農学部卒。同年4月、東急不動産入社。平成23年4月、同社副社長、同26年2月、東急コミュニティー取締役、同26年4月、同社社長、同28年4月、同社会長。同28年6月、同協会副理事長。
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記者は他の取材があり、恒例の記者懇親会に遅刻した。着いたときは岡本氏が起立して何か話されていた。机上の理事出席者名簿には「理事長 岡本潮(東急コミュニティー)」とあったので、理事長が交代したことを初めて知った。
懇親会後、山根氏は「社業が忙しく専念する」と退任の理由を語った。関係者などによると就任5年間で、マンション標準管理規約の改正、コミュニティ条項の明確化などが成し遂げられたことなどから区切りをつけた模様だ。(定款上は理事及び監事の任期は、選任後2年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時総会の終結の時までとし、再任を妨げないとある)
岡本氏は、記者団の質問に対して「言葉は適当ではないかもしれないが、マンション管理は階層でいえばデベロップメントの下支え的な位置にランクされている。一方で、約630万戸あるマンションストックで管理業はハード・ソフト両面でデベロッパーとの関係、コンプライアンス、ガバナンスも含め事業体としてきちんと整備しないといけない」などと業界の地位向上が急務であることを強調した。
また、マンションの建物と居住者の〝老い〟の問題、管理員の人手不足に対応するために、IT化が避けられないとし、私見として女性・高齢者・外国人をどう活用するかだと語った。協会の枠を超え行政などとの連携も不可欠とした。
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岡本新理事長が管理員を含む業界の地位向上に真剣に取り組む姿勢であることは最近の記者懇親会での発言でよくわかる。管理員の待遇改善は待ったなしだと思う。「マンション管理を魅力ある仕事にしないといけない」と岡本氏も語ったが、コミュニティなどというビジネスに馴染まないサービスをどう正当なフィーとして確立するのかも大きな課題だ。
マンション管理協 管理員の待遇改善を重要課題に 呼称も変えてほしい(2017/3/24)