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2017/05/30(火) 17:51

旭化成不動産レジ わが国初の民間マンション「四谷コーポラス」建て替えへ

投稿者:  牧田司

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「四谷コーポラス」

 旭化成不動産レジデンスは5月30日、わが国初の民間分譲マンション「四谷コーポラス」の建て替え決議が3月25日に成立、5月に全員合意となり、9月に解体工事に着手すると発表した。

 「四谷コーポラス」は、1956年(昭和31年)竣工の築61年を迎える5階建て全28戸のマンション。専有面積はフラットが約51㎡(4戸)、メゾネットが約76㎡(24戸)。メゾネットの価格は1戸233万円で、大卒の初任給が1万円程度だった当時、時代の最先端をいく高級住宅だった。従後は6階建て51戸(販売戸数28戸)、専有面積は約38~55㎡となる。2019年7月竣工予定。

 建て替え・大規模修繕等の検討会が2006年にスタート。その後東日本大震災をきっかけに耐震性能への不安が顕著化し、建物の高経年化に伴う給排水管の老朽化などの理由から建替えを中心に検討することとなり、決議が成立した。

 同社は、区分所有者(25名)の大半が再建後のマンションを再取得することを考えているため、権利者それぞれの想いや要望に丁寧に応えるオーダーメイドの住戸プランニングを行うとしている。

◇       ◆     ◇

 このマンションが建て替えられることは「週刊住宅」関係者から聞いていた。理由は明かせないが、記者が35年前の昭和57年6月24日号「週刊住宅」で全8段を使ってこのマンションの記事を書いたことがあり、その記事コピーを送ってくれたからだ。

 同紙が破たんしたいま、その記事コピーを掲載するのは著作権の問題がありそうなので紹介できないのが残念だが、確か1週間くらいかけて取材して記事にした。(興味のある方は国会図書館でどうぞ。コピー&ペーストの記事でないことは分かっていただけるはずだ)

 旭化成不動産レジデンスはプレスリリースで「日本初の民間分譲マンションとされる」と伝聞調にしている。当時、「日本初」が諸説あり記者も悩んだ。いろいろ調べた結果「日本初」と書いたのを記憶している。

 あの時は梅雨のうっとうしい天気が続いた頃だ。5~6人にインタビューした。みんな快く取材に応じてくれた。分譲時の担当者の声をストレートに伝えようとして書いた。

 驚いたのはまだ駆け出しの記者が「中高層集合住宅の老朽化問題は、日本ではこれから直面する未経験の課題である」と書いていることだ。当時、マンションの建て替え事例は2例しかなかった。少しは先を見る目があったと、読み返して安堵した。それにしても、昨日食べた夕食が何だったか忘れるのに、35年前の取材がどうしてよみがえるのか。パンフレットは2色刷りだった。

 

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