三菱地所レジデンスは6月5日、北陸初で北國銀行が70年間にわたり本店を構えていた跡地マンション「ザ・パークハウス 金沢城公園」 のプロジェクト発表会を行った。金沢城公園や兼六園に近い銀行や証券会社、ホテルなどが建ち並ぶ一等地で、坪単価は金沢最高峰の200万円を突破する可能性もある。
物件は、北陸新幹線金沢駅から徒歩16分、石川県金沢市下堤町に位置する15階建て全68戸(事業協力者住戸9戸を含む)。専有面積は69.70~154.36㎡、価格は未定だが4,000万円台が中心、坪単価は200万円前後になる模様。竣工は2018年8月下旬。施工は熊谷組。販売開始は7月中旬。販売代理は金沢の販売実績が多いリノベスト。
現地は、銀行、証券会社、ホテル、オフィスビルなどが建ち並ぶ一角。金沢城公園へ徒歩5分、めいてつエムザに徒歩3分。
建物の外壁は、職人が丁寧に塗り重ねて完成させる職人塗装とし、エントランス内の壁や外壁の一部には石職人が丹念に削り出す天然石の「のこびき細工」を施す。
基本性能・商品企画では、オール電化、エコキュートを採用、二重床・二重天井、ディスポーザー、食器機、浄水器一体型水栓、リビング・ ダイニング床暖房が標準装備。
発表会に臨んだ同社執行役員・小山健介氏は「金沢は、北陸新幹線の開業によって地価が上昇し人口も増加。マンションも倍増し、マーケットの成長を感じさせる。マンション供給は当社初だが、北國銀行新本店やNHK放送会館の設計(三菱地所設計)を担当している。用地は北國銀行さんとの縁があり取得した。問い合わせは首都圏や関西圏、名古屋圏で3割に達するなど500件を突破。手応えを感じている。第2弾、第3弾も適地があればやりたい」などと語った。
同社調査によると、金沢のマンション市場はリーマンショック前後の09・10年の供給がゼロだったが、15年の北陸新幹線の開業を機に供給が増え(15年は300戸近く)、坪単価は08年の120万円強が170万円くらいに上昇、価格も空白前の3,000万円台前半から4,500万円近くまで暴騰している。
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さすが三菱地所というべきか。ブランド力を誇示するために金沢金箔で建物を覆うような地元の顰蹙を買う愚を犯していない。その代わり、外壁は職人塗装とし、基壇部に「のこびき細工」を施すなどさりげない演出をして高級感を醸し出しているのはいい。(他のマンションをいくつか見たがみんなそれなりのものばかりだった)
設備仕様は首都圏の同社のマンションとほとんど同じだが、金沢駅圏ではディスポーザーも食洗機も床暖房、ソフトクローズ引き戸は珍しいそうだ。
坪単価について同社は明言を避けたが、これまでの最高単価となる200万円(大和ハウスの「香林坊」は坪200万円以下だったようだ)を突破する可能性も否定しなかった。
記者は北陸のマンション市場について全く分からないのでこれ以上触れないが、加賀100万石の一等地で北國銀行本店跡地のマンションなのだから高値挑戦すべきだ。
驚いたのがホテルラッシュだ。同社が配布した資料にはビジネスホテルやリノベーションも含む計画が12もある。同社のマンションに近接するホテルも2つ建設中だ。
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2時間くらいかけて現地周辺や長町武家屋敷跡地を歩いた。きれいで水量が豊かな水路や贅を尽くした武家屋敷を見で、さすが加賀100万石と改めて感心した。
駅に戻り、地元の肴で地酒を飲んだ。岩魚の骨酒(岩魚を丸ごと焼いて酒にひたしたものだが、本来は頭だけを焼いて熱燗で飲むもの)を除き帰るのが嫌になるほどおいしかった。
土産を買わないと怒られると思い「のどくろ」などの〝高価〟な干物を買って帰ったら「なによ、これ。韓国産じゃないの」と怒られた。(買った記者が悪いのだが、干物やさん、これはない)
創業150年の和菓子屋では「うちの和菓子が一番」と勧められるままその他の土産も買ったが、おいしいのかそうでないかは…。(国産でしょうね)