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2017/08/10(木) 18:13

近鉄不動産 リノベ賃貸事業第一弾「Refio成増」 1戸分を「コモンスペース」に充当

投稿者:  牧田司

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「Refio成増」

 近鉄不動産は8月9日、同社のリノベーション賃貸レジデンス事業第一号物件「Refio成増」が完成したのに伴う報道陣向け内覧会を実施した。内外装に天然木をふんだんに用いデザインにこだわったほか、コミュニケーション不足になりがちな都会の単身生活に、入居者同士の情報交換、ライフスタイルの共有ができるよう1戸分を「コモンスペース」に充てるなど、かなり力を入れていることがうかがわれた。すでに全28戸のうち25戸が成約済みだという。

 物件は、東京地下鉄副都心線・有楽町線地下鉄成増駅から徒歩5分、板橋区成増1丁目に位置する4階建て全28戸。専用面積は21.76~25.93㎡。賃料は70,000~88,000円。建物は1992年竣工で、従前は近鉄グループが所有していた社宅。大規模修繕工事は近鉄ビルサービス。

 ブランド名「Refio」は、RenovationやRenaissance(再生・復活を表す)の〝Re〟とイタリア語の花を表すFioreの〝fio〟を組み合わせた造語で、「築年数の経った建物をリノベーションして、新しい花を咲かせるように再生させる」という意味が込められている。

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Before

◇       ◆     ◇

 「Refio成増」は敷地面積が約125坪、戸数28戸の規模しかない。取得に要した費用やリノベ費用がどれくらいかわからないが、近鉄グループホールディングスの売上高1兆2,048億円(平成29年3月期)、不動産事業の売上高1,521億円(同)億円からして微々たるものでしかないはずだ。

 にもかかわらず、わざわざメディア向け内覧会を行ったのは「今後も築年数の経過した物件を再生するリノベーション賃貸レジデンス事業を積極的に推進し ていきたい」(同社プレスリリース)という強いメッセージを発したかったからに相違ない。

 その意思がストレートに伝わってきた。居室の床は無垢材のフローリングとし、ベッドも備えている。また、入居者同士の親睦を深め交流会や友人を招いたホームパーティなどが行えるように、1戸分(25㎡)をつぶしてIHキッチン付きのコモンスペースを設置した。外壁にも大きな無垢材の壁を配した。同社によると1戸当たり300~400万円の費用をかけたそうだ。

 リノベーション事業は大手・中小が入り乱れて大激戦の様相を呈している。ここに近鉄不動産が参入した。これからどのような展開を見せるか。

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コモンスペース

◇       ◆     ◇

 それにしても、ここ数年の電鉄会社&グループ不動産会社の首都圏への攻勢がすさまじい。近鉄不はもともとマンションや戸建て・仲介事業を展開し来たが、最近は阪急不動産が凌ぐ勢いだ。京阪電鉄(不動産)も昨年は1,000戸を超えるマンションを分譲して話題になった。西鉄(不動産)も本格的に首都圏進出を決めた。

 攻め込まれている既成勢力の東急(不動産)や小田急(不動産)、西武(プロパティーズ)、京王(不動産)、相鉄(不動産)、京急(不動産)も指をくわえて眺めているわけではない。住宅だけでなくビルやホテル事業、その他生活関連事業を積極的に展開しだした。

 少子・高齢社会を迎え、鉄道事業だけでは伸びが期待できず、それこそ〝ゆりかごから墓場まで〟(福祉政策のことを言っているのではない)都市居住者のあらゆるニーズを取り込もうという戦略だ。不動産業界と比べてだが、潤沢な資金を背景にデベロッパーとの競争に拍車がかかる。首都圏が主戦場になる。

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居室

 

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