大京グループは9月27日、健康経営の一環として喫煙を10月1日から終日全面禁止すると発表した。対象はグループの全400拠点の事業所で、対象者は1万人を突破するとみられる。全社員の健康維持・増進と受動喫煙の抑制が目的。
喫煙全面禁止措置について、同社プレス・リリースでは「たばこに含まれる有害物質は、がん・脳卒中・心筋梗塞や呼吸器疾患などにかかるリスクを高めます。 また、受動喫煙による年間死亡者数は推定約1万5,000人(厚労省の報告書)とされ、健康被害は喫煙者同様に深刻な状況にあります。
2020年にオリンピック・パラリンピックを控える日本は、世界保健機関(WHO)と国際オリンピック委員会(IOC)が共同で推進する『たばこのないオリンピック』に向け、受動喫煙防止対策の強化が求められています」とその背景について記している。
同社は2014年から「予防」をテーマとした大京健康プログラム「Daikyo Health Program (DHP)」を導入しており、そのプログラムの一つとして「禁煙対策」に取り組んできた。
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記者は喫煙者(1日15本くらい。昔は3箱)だ。1時間に1本くらい吸う。事務所で書いた原稿をコピーし、喫煙室に下りて行ってタバコを吸いながら校閲などを行う。喫煙は記事を書くリズムだし、歌唱・水泳でいえば息継ぎだ。何よりも文化、基本的人権の問題だ。
なので、こうした規制(言い過ぎか、措置が適当か)には反対だ。とはいえ、喫煙・受動喫煙の発がんリスクは否定しない。厚労省が「受動喫煙は『迷惑』や『気配り、思いやり』の問題ではなく、『健康被害』『他者危害』の問題である」「(受動喫煙防止は)事業者の努力義務ではなく、義務とすべきである」というのも理解はする。
しかし、発がんリスクは主に疫学的な研究から問題視されており、そもそも閾値など存在しない。百歩譲って、国がそこまでわれわれの健康を心配してくれるのなら、食品添加物、糖類・塩分の摂取に対する規制、メタボ対策などを強化すべきだろうし、劣悪な労働環境の改善に強権を発動すべきだ。