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2017/12/02(土) 16:58

「ポプラ文庫」がすごい 「マンションいい話コンテスト 2017」マンション管理協

投稿者:  牧田司

 マンション管理業協会は12月1日、第3回「マンションいい話コンテ スト 2017(一般編)」の受賞作品を発表した。全国から応募があった426通の中からグランプリ(賞金30万円)は横山千尋さんの「マンション文庫『ポプラ文庫』ただいま8年目」が受賞した。

 このほか準グランプリ1点(同5万円)、特別賞3点(同3万円)、佳作9点(クオカード3千円分)が選ばれた。

 グランプリ作品は、「ごく限られたコミュニティでの活動であったものが、『読書』や『本』を媒介に、口コミを通じてマンション居住者ばかりではなく、近隣住民の方々も交えた地域コミュニティ形成の場へと発展し、マンション内外に広く認知された好事例」というのが審査員の講評。

◇       ◆     ◇

 グランプリ賞に輝いた作品のストーリーがすごい。前回は10人くらいしか集まらなかった子ども向けの童話読み聞かせ「ポプラ文庫」に、東日本大震災の6日後に100人超が集まるというシーンがある。フィクションでもあり得ない話だが、事実は小説より奇なり。いかにわれわれは危うい社会に生きているかを思い知らされる。

 会社員は仕事があり気がまぎれるが、家庭の主婦は話し相手がいないマンションという箱の中に閉じ込められ、現実とは思えない悲惨な被災地の状況をテレビでのべつ幕なし垂れ流されればパニック状態に陥るのだろうか。

 学校もまた社会と隔絶された世界だ。しかも教師の女性比率は6~7割に達する。恐慌状態を来すことがありうるのかもしれない。

 作家の金原ひとみさんは2015年に発表した「持たざる者」(すばる)で、3.11によって人生が狂った4人の主人公の孤独と喪失を描いた。ご本人も放射能汚染を恐れ東京から父親の実家である岡山に移住して次女を出産した。

 「ポプラ文庫」は恐ろしい世界を活写したのかもしれない。

 震災後〝絆〟が流行語になったが、今の世の中は社会も企業も家庭も絆を断ち切る方向に突き進んでいないか。そうした動きに抵抗する「ポプラ文庫」の活躍に期待したい。

 過去2回の「マンションいい話コンテスト」は報道陣を集めて盛大に授賞式が行われたが、今回はないのだろうか(管理会社編の受賞はイベントが行われると聞いているが)。

 気になったことが一つ。第1回の応募作品は1,015通、第2回目は806通だった。今回は426通だからほぼ半減した。賞金が過去2回は50万円だったのが今回は30万円に減額されたのが響いたのか。 

第2回「マンションいい話コンテスト2016」グランプリに梶原氏 マンション管理協(2016/12/10)

マンション管理協 「マンションいい話コンテスト2015」受賞作発表(2015/12/10)

 

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