小田急のやる気を見た-小田急不動産は12月6日、小田急線海老名駅西口とJR相模線海老名駅間で開発が進められている約3.5㏊の駅間開発プロジェクト「ViNA GARDENS」第1弾タワーマンション「リーフィアタワー海老名アクロスコート」のモデルルームを来年1月6日にオープンすると発表した。同日、報道陣向けに記者見学会を行った。
物件は、小田急小田原線・相模鉄道本線海老名駅から徒歩3分(JR相模線海老名駅から徒歩4分)、海老名市めぐみ町に位置する31階建て全304戸。専有面積は45.25~120.65㎡、価格は未定だが2LDKが4,000万円台~、3LDKが5,000万円台~、坪単価は250~260万円になる模様。竣工予定は2019年10月下旬。施工は三井住友建設。売主は同社のほか三菱地所レジデンス、小田急電鉄。第1期の販売開始は2018年1月中旬。
現地は、オフィス・商業・住宅などの複合開発が予定されている「ViNA GARDENS」の第1弾の海老名市最高層免震タワーマンション。このほか詳細は未定だが、同規模のマンション2棟と、もう1棟の住宅系建物が予定されている。
建物は、中央に吹き抜けを配した1フロア(標準階)10戸構成。角住戸比率38%超、多彩な50プラン、ワイドスパン(3LDKで約7.8mスパンも)、リフォームによる間取りの可変性に配慮したフラットスラブ工法(階高約3m、二重床のふところ厚240ミリ)などが特徴。天井高は2500ミリ。
発表会に臨んだ小田急電鉄生活創造事業本部開発推進部課長代理・浜田健太郎氏は、「複々線が完了し、来春のダイヤ改正で海老名駅は新宿まで約9分時間が短縮され(現在は快急で44分)、相鉄線もJRに乗り入れるポテンシャルの高いエリア。今回のマンションはそのランドマークとなるもので、他の2棟のマンションのほかホテル、フィットネス、住宅系施設なども含め2025年度に様々な主体と連携しながら街全体を完成させる」と話した。
売主で販売も担当する小田急不動産住宅事業本部住宅販売部販売計画グループ・池上朋輝氏は、「水回りのリフォーム自由度を高め、プランも50タイプ揃えた。『住んだまま買取保証』も採用する。問い合わせは2,000件を突破しており、想定外の多さ」と販売に自信を見せた。
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ここ数年の電鉄会社(系)の住宅事業は目を見張るものがあるが、同社はマイペースを守ってきた。鳴りを潜めていたといってもいいほどだ。
その小田急が満を持して世に問うマンションがこの物件だ。残りの2棟はどのようなものになるか未定だが、ほぼ同規模とみられるので3棟全体では900戸くらいになるはずだ。今回の物件の販売動向を見ながらプランを練ることになりそうだ。
商品企画は、他の電鉄会社(系)とほぼ同じで想定内だったが、3LDKで約7.6mスパンはインパクトがある。
近接する相鉄不動産「グレーシアタワーズ海老名」とは単価差で10数万円というのも納得だ。先行販売した相鉄不としては小田急が高値追究するのは大歓迎だろうし、小田急も安くして相鉄の顧客を奪うのは本意ではないはずだし、駅に近いというメンツがある。
それにしても、10年前までは調整区域だった同エリアが「ららぽーと海老名」の開業をきっかけに一変し、小田急が特急を停車させるなんて夢にも思わなかった。1日当たりの乗降人員は平成22年の約13.2万人から28年は約14.8万人へ12.9%も増加している。
配布された資料に「2017年度の神奈川県民が選んだ住みたい街の第7位に。ランキング内のエリアを神奈川県のみに絞ると県内では第4位に」とあるのにびっくりした。「横浜」「武蔵小杉」「藤沢」に次ぎ、「たまプラーザ」「鎌倉」より上位とは…。