サンウッドが近く一般分譲を開始する「サンウッド青山」を見学した。青山通りと外苑東通りから一歩入ったところで、創業20周年の集大成にふさわしい1フロア1~2戸の玄人受けする億ションだ。
物件は、東京メトロ半蔵門線・銀座線、都営大江戸線青山一丁目駅から徒歩3分、港区赤坂8丁目に位置する9階建て全12戸。専有面積は77.10〜154.45㎡、価格は未定だが坪単価は約800万円になる模様。竣工予定は2018年12月下旬。設計・監理はIAO竹田設計。施工は南海辰村建設。
現地は、青山1丁目駅から徒歩3分の表通りから1歩入ったところ。敷地はほぼ整形で、建物外観は6階までが花崗岩の石張り、7階以上がガラスカーテンウォール。住戸は2~6階が1フロア2戸、7~8階は1フロア1戸、約10mのワイドスパンのメゾネットタイプで、2ウェイエレベーターを採用して、5~6㎡台のプライベートホールを設けているのが特徴。
インテリアデザインは、「ザ・リッツ・カールトンホテルマカオ」「ヒルトンホテル北京」「フォーシーズンズ京都」などを手掛けたHBA東京オフィス代表取締役・若狭明宏氏。ライティングデザインは、ルイ・ヴィトンや香港のアルマーニブティックや、「香港国際金融センター(IFC)」などホテルやカジノの照明デザインを担当したティノ・クワン氏。
同社・佐々木義実社長は「これまで20年余、『赤坂タワーレジデンス』をはじめ『赤坂氷川』『松濤』『代官山猿楽町』など都心部を中心に事業展開してきた。お客さまのニーズに応えるため、構造計算をやり直してまで隣り合う住戸や上下階を一つにしたりすることも行ってきた。今回の『青山』はその集大成」と語っている。
すでに12戸のうち5戸が会員・インナー販売で成約済み。
同社は、この物件のほか超都心物件の販売準備を進めている。公表できる段階になったらまた取材して記事にしたい。
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まず外観。端正な凛としたシンメトリーが美しい。右と左の住戸面積は異なるが、スリットの位置などは左右対称になっている。
専有部の設備仕様レベルがまた高い。廊下・洗面室などを除き、LDK、居室の床全面(オプション仕様だが)がヘリンボーン仕上げになっていたのに圧倒された。
ヘリンボーンはホテル・レストランのほか、マンションや戸建てでも用いられるが、住宅では広さはせいぜい6畳大くらい。30畳以上のヘリンボーン床を見たのは初めてだった。重厚感は並みのそれとは似て非なるものだ。
床仕上げでは、バンブーを多用した三井不動産レジデンシャル「パークマンション千鳥ケ淵」「パークタワー上野池之端」、近鉄不動産「グランド ミッド タワーズ 大宮」のリビングがナラ材の亀甲仕上げになっていたのに驚いたことがあるが、今回はそれ以上の衝撃を受けた。
使用されている素材を聞いてまたびっくり。「マダガスカル・ローズウッド、パリサンダー」と呼ばれるものだった。ネットで調べたら、「戦後、欧州や中国で家具や楽器用として需要が高まった木材。茶色味がやや強くローズウッドの名前が冠する中では最も硬く重い品種…違法伐採が頻繁に行われているため、現在ワシントン条約の附属書IIに登録され厳密な仕入先を管理されている」(ウィキペディア)希少高級材らしい。
白が基調のデザイン・意匠、カラーリングも抜群。水回りのシーザーストーンが美しく、洗面・トイレのドアはアウトセットの引き分けタイプ。
デザインを担当しているのは、2006年に会社設立して以来、数多くのホテル、商業施設などを手掛けるDesign Eightの藤井信介氏。
全体的に億ションにありがちな奇を衒ったこれ見よがしのものはなく、玄人受けするものだと思った。販売を担当する同社・田中怜氏は「本物志向のお客さまに高い評価をいただいている」と話した。