積水ハウスは1月10日、マリオット・インターナショナルが展開するラグジュアリー・ライフスタイルホテルブランド「Wホテル」のわが国初の「W OSAKA」を2021年に開業すると発表した。
大阪・御堂筋に面した大阪市中央区南船場4丁目の土地約2,544㎡に同社が建設するもので、建物は27階建て全337室。安藤忠雄氏がデザインを監修し、日本設計が設計監理、竹中工務店が施工をそれぞれ担当する。開業は20121年2月の予定。
各客室のインテリアは、斬新でスタイリッシュなデザインコンセプトを貫き、ブランドのシグネチャーでもあるオールデイ・ダイニングレストランを含むレストランやバー「WOOBar」のほかプール「WETDeck」、フィットネスセンター「FIT」、スパ施設「AWAYSPA」を備える。イベント施設として400㎡のボールルームと会議室も設置する。
記者会見に臨んだ積水ハウス会長兼CEO・和田勇氏は「マリオットグループとは『セントレジスホテル大阪』や『ザ・リッツ・カールトン京都』などで連携しているが、今回、大阪のメインストリートで第1号の『Wホテル』を建設することになり、また設計を日建設計、監修を安藤忠雄氏に行ってもらうことで関心も高く、鳴り物入りのホテルになるはず。今後、宿泊に特化した郊外型も展開していきたい」などと述べた。
マリオット・インターナショナル アジア太平洋社長兼マネージングディレクター クレイグ・スミス氏は「大阪は『Wホテル』発祥の地のニューヨークにもっともよく似ているエキサイティングな街。日本の国内・海外の方に、日本の美しい自然、歴史、文化と当社のホスピタリティを堪能していただける。今回の連携を心から感謝している」と語った。Wホテルは現在、世界52カ所で展開中で、2020年までに75カ所に増やす予定。
また、ゲストとして登壇した安藤忠雄氏は「(積水ハウスの)『希望の壁』はメンテナンスが大変なことはわかっていたが、(話すと同社が断念するのではと思い)黙っていた」と会場を笑わせ、「今回は日建さんがすべてやってくれるので、私は『結構ですね』というだけだが、環境も人間も大切にするイマジネーションが湧いてくる。チームワークで頑張りたい」などと話した。
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ザ・リッツ・カールトン東京の会場の着くなり、ハードロックかクラブミュージックかダンスミュージックか、記者にはまったく理解不能の耳をつんざくBGMが流れ、演壇中央には大きな「W」の電飾看板のようなものが置かれ、赤や青、緑、紫、黄色、白に目まぐるしく明滅した。
これには、〝ひょっとしたらリッツ・カールトンのような〟ホテルかもと予想していた記者は完全にKO状態。
さらにまた、関係者の口からは「エキサイティング」「fuel(活気、熱量)」「エネルギー」「「カオスとカルチャー」「24時間眠らない」「不可能を可能にする」「固定概念、限界をやすやすと超える」「cheeky acdacious(生意気な)」「spontaneous(自発能動的な)」「bold(大胆な)「witty(機知に富んだ)」「insider(通)」「目立ちがりや」などの単語が次々と飛び出した。
「W」には“いつでもどんなことでも”(Whenever/Whatever)という意味が込められているようだが、これはもう和田氏の「W」そのものだし、〝Wa―すごい〟ホテルだと納得させるしかなかった。
リッツとは全くコンセプトが異なる。料金そのものはリッツより安くなりそうだが、ルームチャージなどについてスミス氏は明言を避けたように、〝高いか安いか〟の尺度で測れないホテルだ。〝負けたら あかんで東京に〟の関西の富裕層にはぴったりかもしれないし、東京なら六本木、渋谷、湾岸なら間違いなく受ける。
それにしても、この前の日曜日には、積水ハウスの「御園座タワー」完成お披露目会で隈研吾氏直々に劇場とマンションのコンセプト説明を受けた。この日は安藤忠雄氏だ。年明けからこんな嬉しい取材ができるなんて何と幸せなことか。