三菱地所レジデンスは2月19日、免震構造マンションとして日本最高階数の55階建て「ザ・パークハウス 中之島タワー」の竣工見学会をメディア向けに行った。市内で4例目となる「CASBEE大阪みらい」最高Sランクを取得し、火災避難時に非常用エレベーターが利用できるようにしたわが国初のマンションでもある。
物件は、京阪中之島線中之島駅から徒歩2分.大阪市北区中之島6丁目に位置する55階建て全894戸。専有面積は40.77~148.51㎡、坪単価は250万円台。売主は同社のほか住友商事、京阪電鉄不動産、アサヒプロパティズ。設計・施工は竹中工務店。竣工は2017年10月26日。2015年11月、第一期販売開始、2017年12月に完売。
中之島は大阪都心の梅田に近く、ビジネスや文化など多彩な都市機能をそなえた施設が集積。今後も中之島の地権者企業である朝日新聞社、関西電力など30社からなる「中之島まちみらい協議会」が官と連携して文化・国際・業務ゾーンとして街づくりを進めていく。市は2020年までに大阪新美術館を建設する。
見学会に臨んだ同社常務執行役員・森克明氏は大阪圏のマンション市場について、「マーケットは現状が続くとすれば年間1.8万戸くらいの供給。駅近、再開発など魅力のある用地にはホテルも含めデベロッパーが殺到しており、取得環境は厳しい。しかし、都心部も郊外部も需要は底堅いものがあり、今後も引き続き堅調に推移する。当社も積極的に展開していく」と話した。
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大阪は、修学旅行を含めても10回も行っていない。再開発などで都心部の人口は増えているものの東京に圧倒的な差をつけられ、経済は停滞し、財政力が弱く、阪神タイガースも相変わらずで、元気なのはお笑いタレントくらいというイメージしかない。
マンション市場も首都圏と比べ規模は2分の1くらいで、一等地の価格は3分の1くらいのようだ。しかし、東京の市場と比較しても意味がない。率直に坪単価250万円台の894戸の免震タワーが2年間で完売というのはやはりすごいというべきだろう。リビング天井高も2500ミリ確保されていた。
同社関西支店事業企画部長・ 林祐輔氏らによると、中之島は東京でいえば「湾岸エリア」に近いイメージだという。確かに北に堂島川、南に土佐堀川が流れ、今後の発展が期待できるという点では湾岸に似ている。坪単価も数年前の豊洲に近い。
しかし、中之島はそれ以上だ。同世代の作家、宮本輝氏の「泥の河」「道頓堀川」の舞台にもなった。なにより大阪市庁舎があり、ネオ・ルネッサンス様式の日銀大阪支店、国の重要文化財に指定されている大阪市中央公会堂、立派な国際会議場もある。中之島フェスティバルタワーにはコンラッド大阪も昨年開業した。中之島の駅舎はふんだんに天然木が採用されており、ホーム側壁も不燃木材だという。最高に美しい。
そういえば、ニューヨークもシンガポールも香港もストックホルムもみんな島だ。独自の文化・歴史を生かせば東京とはまた違った味が出せるのではないか。地価が安い分競争力もある。「負けたらあかんぞ東京に」中之島にエールも送りたくなる。