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2018/02/23(金) 18:12

大和地所レジデンス 今期引き渡し予定の全929戸を完売 完成在庫ゼロ達成

投稿者:  牧田司

 大和地所レジデンスは2月22日、今期(2017年4月1日~2018年3月31日)引渡予定マンション総戸数929戸全戸を完売し、今期末の未契約完成在庫ゼロを達成したと発表した。

 929戸の内訳は、期初の未契約完成在庫が29戸のほか、「戸塚ブロッサムテラス」116戸、「ヴェレーナ新鎌ヶ谷」81戸、「ヴェレーナ松戸秋山駅前」67戸、「ヴェレーナシティ パレ・ド・シエル」3・4街区(150戸)、「ヴェレーナグラン浦和仲町」30戸、「ヴェレーナ横浜 掃部山公園」37戸、「ヴェレーナ綾瀬」87戸など15物件(未契約完成在庫除く)。

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 この15物件のうち記者が見学したのは「パレ・ド・シエル」と「浦和仲町」しかないが、「新鎌ヶ谷」「松戸秋山駅前」「川口元郷」など販売が楽そうでない物件のほうがむしろ多いくらいだ。それらを含め完売したのだから立派というほかない。年間1,000戸くらいを供給するマンションデベロッパーで期末の完成在庫がゼロという会社はここ数年ではないはずだ。もっとも少ないと思われる明和地所の平成29年3月期は売上計上戸数881戸に対して完成在庫は16戸だった。

 同社を会社設立の1993年2月(当時日本綜合地所)のときからずっと応援してきた記者も大変うれしい。ご存じない方に1つだけ紹介しておく。同社はマンションの値付けの常識を根底から覆したデベロッパーだということだ。

 いまでもそうだが、中高層マンションで一番売りづらいのは1階部分だ。日照・通風、防犯面などで難点を抱えていることが多いからで、その分値段を下げるのが常識だ。つまりその分だけ「価値」がないとデベロッパー自らが認めている。

 ところが同社は、商品企画・販売を担当した「グランシティ中野島」43戸(平成11年竣工、売主はニチメン)に不二サッシが開発した全開口サッシを初採用し、リビング-バルコニー-テラス-専用庭とつなげ内と外の住空間を創造した。1階住戸の価格も上層階より数百万円高くした。これが見事にヒットした。確か真っ先に1階住戸が売れははずだ。革命的な出来事だった。これがきっかけで他社も「戸建て感覚」の開発に取り組むようになった。

 商品企画力はこの業界でトップクラスだった。-過去形で書くのは、まだあの当時の世の中をひっくり返すようなマンションをいまは供給できていないと思うからだし、それだけ同社に対する期待値が高いからだ。

 「それだけ同社に対する期待値が高いからだ」と書いた。「それだけ」とはいったいどれだけの期待値かといえば、例えは適切ではないかもしれないが、競馬は賭けた時点で25%が天引きされるから理論的には期待値は75%にしかならない。現実のマンション市場も、買った価格を維持し中には値上がりするものもないわけではないが、圧倒的多数の物件は中古になると値下がりする(戸建てでは買う前から〝中古並み〟ときちんとお客さんに説明する優秀な営業マンもいる)。

 「それだけ」とは、中古になってもある程度の資産価値、居住価値を保持できるようなレベルということだ。

 

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