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2018/03/02(金) 11:23

竣工販売に納得 しっかりした商品企画で差別化 総合地所「ルネ北綾瀬」

投稿者:  牧田司

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「ルネ北綾瀬」(バルコニーに注目)

 総合地所は3月1日、「ルネ北綾瀬」のメディア向け見学会を行った。1月末から竣工販売を開始しており、全58戸中25戸を成約するなど順調なスタートを切った。しっかり造りこみを行った好物件だ。

 物件は、東京メトロ千代田線北綾瀬駅から徒歩6分、足立区東和5丁目に位置する7階建て全58戸。専有面積は59.97~77.08㎡、予定価格は3,300万円台~5,300万円台。坪単価は214万円。建物は2018年1月9日竣工済。施工は長谷工コーポレーション。

 現地は、商業地からやや離れた戸建てや中層マンションなどが建ち並ぶ住宅街。近くにはスーパー、公園、保育施設がある。

 現在、北綾瀬駅は綾瀬駅から乗り換えで0番線から発着しているが、遅延解消と利便性の向上のため、駅のホームの延伸を行い、代々木上原方面の直通運転を来春に開始する予定で工事が進められている。開業すれば1番線となり、現地から駅までは徒歩5分と短くなり、大手町へは23分となる。乗り換え時間を考えると数分は都心に近くなる。キャッチフレーズで「東京0▷1」とうたっているのもそのためだ。

 住戸プランは南向きが中心。グッドデザイン賞を受賞した可動収納ユニット「ウゴクロ」を竣工物件では初めて14戸に装備しているほか、競合物件には付いてないディスポーザーや食洗機、カップボード付き。

 バルコニーはアルミ格子やガラス・パネル手すりでなく、5階部分まではコンクリートを立ち上げ、その上にガラスルーバーを添えることで縦のマリオンと横のルーバー、ガラスが印象的なデザインとしている。内廊下側も壁はタイル仕上げとし、面格子は、光を取り込みながらプライバシーも確保する機能を持つ上下セパレート型。

 今年1月20日にモデルルームをオープン。来場者は約150件で、これまでに25戸を成約。DINKS層も多いのが特徴。現居住地は足立区が55%、年収は400万円台が20%、500万円台が15%、600万円台が20%。

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 いま、供給物件すべてをメディアに公開しているのは同社だけだ。しかも、坪単価から販売状況、顧客の属性・特徴など細かなデータまできちんと別紙に添え発表している。こうした企業姿勢に頭が下がる。その割に見学するメディアが少ない。情けない。ものを見ないと絶対成長しない。記者の優劣はどれだけものを見たかで決まる。

 商品企画もいい。同社は安宅地所当時から施工は長谷工コーポが圧倒的に多かったが、〝丸投げ〟はしなかった。マンション不況の時などは需要を喚起する物件をたくさん供給した。記憶は確かでないが、施工は長谷工で、設計は日建だったか東急設計だったかを起用した「ルネ蒲田」が大ヒットした。長谷工が変るのもそのころか。双方はとてもいい関係にあった。

 今回の物件も、足立区居住者には申し訳ないが、外観にタイルを張り巡らし、この程度の規模にディスポーザーを採用するデベロッパーは少ないはずだ。

 グロスを抑制するため専有面積圧縮型もあるが、これは致し方ない。普通のサラリーマンが無理なく取得できる住宅政策を取らない政治が悪い。このままだと23区で子育てファミリーがゆとりあるマンションを買えなくなる時代がやってくる。もうやってきたか。

 長谷工コーポには自社ブランド「ブランシエラ」があり、首都圏では「板橋西台」と「浦和駒場」でパイロット的事業を行った。これからは総合地所がその役割を担うようにすればどうだろう。長谷工の技術とルネの商品企画が融合したら素晴らしいマンションができる。

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エントランス

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 どうでもいいことだが、面白い話を2つ。先日の長谷工コーポ「東十条」の賃貸・有料老人ホームの見学会で外を歩く時のスリッパにカイロが入れられていたことを書いた。今回は、暖かくカイロは必要なかったのだが、外用のゴム製スリッパがまたよかった。土踏まずの部分が盛り上がっており、ネコの肉球のように柔らかく足の裏にフィットした。これは同社が長谷工グループ入りした効果の一つか。それとも長谷工が真似をしたのか。

 もう一つは「ウゴクロ」。記者も試してみた。軽くはないが両手を使えば移動できる。そこで「兄弟姉妹が陣取り合戦をやるのではないか」と発したら、別の記者は「通知表の出来で決めればいい」と言った。なるほど。(彼も兄弟だか姉妹がいたはずだ。彼は勝ち目がないということか。勝ちを譲るなんてえらい)。

 記者などは兄姉が3人いたが、束になっても記者にはかなわなかった。しかし、出来の悪い長兄は10畳間を独り占めしていた。記者はわずか2畳間で冬は震えながら勉強した。

 総合地所に提案。65㎡の田の字型3LDKはリビング・ダイニングが10.6畳大、洋室が5.8畳大、5.4畳大、5.0畳大だ。仮に夫婦と子ども2人だったらどう使うのか。夫婦が一番大きな部屋を使うとしても1人当たりにすると子どもより狭い。これはいかがなものか。

 子どもの寝室は2畳大あれば十分だ。大きな部屋を与えたら出来のよい子どもに成長するとは限らない。どこかチャレンジするデベロッパーは現れないか。マンションの間取りは劇的に変わる。

 あっ、そうだ。このマンションは「駅から7分以内」だし「マンションは足立区を買え」にも合致する。

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「ウゴクロ」(梁を隠しているのがポイント)

また怒り沸騰 「マンションは『駅7分以内』しか買うな!」の本は買うな!(下)(2018/2/1)

総合地所 長谷工コーポ・不二建設の子会社に(2015/4/23)

 

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