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2018/04/04(水) 22:01

一日滞在型の街に「日本橋ムロホン賑わいづくりプロジェクト」始動 三井不動産

投稿者:  牧田司

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左から水谷氏、佐久間氏、橋本氏(「日本橋ムロホンビル」で)

 三井不動産が「日本橋ムロホン賑わいづくりプロジェクト」を本格始動させた。4月4日、「日本橋再生計画」の4つのテーマである「産業創造」「地域共生」「界隈創生」「水都再生」のうちの一つ「界隈創生」の取り組みを紹介する記者説明会&内覧会を行った。

 同社は、「残しながら、蘇らせながら、創っていく」をテーマに「日本橋再生計画」を推進しており、2014年の「福徳神社」社殿再建を含めた「日本橋室町東地区開発計画」完了以降を再生の第2ステージと位置づけ、「産業創造」「地域共生」「界隈創生」「水都再生」をキーワードに働く、暮らす、住まう、遊ぶ、憩うなどの様々な機能を複合した街づくりを目指している。

 今回は、そのうちの一つである「界隈創生」を紹介するもので、中央通り沿道の大規模なオフィスや商業施設などが立ち並ぶ再開発エリアに隣接する「日本橋室町一丁目」「日本橋本町一丁目」エリア(ムロホンエリア)にある老舗や路地などの風情ある街並みを残しながら、個性的な店舗を誘致し、賑わいづくりと景観美化を推進するプロジェクト。

 12店舗からなる地元有志による室町一丁目・本町一丁目のまちづくり検討組織「室一本一(むろいちほんいち)にぎわいの会」(以下、会)とともに街路樹のライトアップ、オリジナル行灯の設置、屋台イベント活動などを行ってきた。活動を理解してもらう景観づくりのルールを定めたリーフレット「室一本一の願い」を作成し、エリア全域のテナ ント各店に発信していく。

 今回公開されたのは、割烹料理店「割烹 ふた麦 麦酒庵(ばくしゅあん)分店」やベンチャーキャピタルが入居する5階建ての既存建物をリノベーションしたビル、新築2階建ての和食居酒屋「室町 美はま」、新築3階建てのHARIOの3店舗。

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「割烹 ふた麦 麦酒庵(ばくしゅあん)分店」(カウンターは100万円以上のヒノキの一枚板)

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和食居酒屋「室町 美はま」(福井の地酒が美味しい)

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3階建てのHARIO(手作りコーヒーも飲める)

◇       ◆     ◇

 記者はバブル発生のころ、都心部の狂乱地価を取材している。その筋も絡んだ猛烈な地上げによって地域のコミュニティが根こそぎ破壊されるのを目の当たりにしている。

 いままた、銀座などの都心部ではホテルやマンションなどの用地争奪戦が展開されていると聞く。狭小敷地の耐震性に問題がある建物などがターゲットになっているのは容易に想像できる。日本橋も例外でないと思う。

 そこで、記者は次のような質問をした。都心部の老朽建物の集約化、高層化は避けられないだろうが、一方で地価上昇による固定資産税、地代、賃借料の上昇、後継・相続問題も絡み、活性化は容易でない、大規模ビル化と地域コミュニティの継承は共存できるのかと。

 これに対し、発表会でプロジェクト説明を行った会・本一代表の佐久間一郎氏(繁乃鮨)は、「以前、この界隈は銀行が3時に締まるとシャッター街となった。もう一度、かつての賑わいを取り戻したい。地価が上がれば税金も高くなるが、それだけ土地の価値も上昇する。三井さんと手を取り合って街の再生・活性化に取り組んでいきたい。1日滞在型の街にすることで各店の売り上げも伸びるよう望んでいる」と語った。

 同会の室一代表・水谷弘氏(利久庵)は、「わたしもバブルを見てきたが、会はその時(土地を)売らなかった会員が中心。資産性を高めながら商売を継続したい」と話した。

 また、発表会の進行役を務めた同社日本橋街づくり推進部事業グループ・橋本健氏は「大規模な店舗だけでなく、歴史あるエリアの店舗をどう守っていくのか、商いとして成り立たせることが大事だと思っている。ポテンシャルを上げ賑わいを創出し、個性ある街にしたい」と語った。

 その道のりは決して平たんではないだろうが、都心部の街の再生・活性化のモデルとなるような取り組みに期待したい。

◇       ◆     ◇

 記者説明会場になっている、ベンチャー企業などが入居する「日本橋ムロホンビル」に入ったらすぐ、同社の木下豪介氏から声を掛けられた。名刺には「日本橋街づくり推進部 事業グループ主事」とあった。

 読者の皆さんはご存じないだろうが、〝三井の木下〟と言えば、RBA野球大会で元オリックスの強打者・庄司氏(当時、ケン・コーポレーションの野手)から三振を奪った投手だ。1球ごとに〝痛たっ〟と味方も欺く戦略なのか、それとも本当に痛かったのか判然としない悲鳴を上げながら気迫の投球を披露した。忘れられない選手の一人だ。守備もうまく打力もあった(過去形なのは残念)。

 肩痛を抱えており、今度、RBA決勝戦で対決することが決まった三井不動産レジデンシャル戦では投げられないだろうし、不摂生の祟りで走攻守どれでも同窓慶大の後輩山本遊撃手に勝てないだろうが、勝敗に関係ない圧倒的優勢、あるいは劣勢の展開になれば、細井監督から温情の代打が告げられるかもしれない。何が何でも出場すべきだ。

 もちろん、日本橋の街づくりにも全力で取り組んでいただきたい。

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木下氏(かつての三井不動産のエース)

 

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