「リビオシティ・ルネ葛西(TOKYO ALOHA PROJECT)」完成予想図
新日鉄興和不動産(事業比率70%)・総合地所(同30%)の「リビオシティ・ルネ葛西(TOKYO ALOHA PROJECT)」の第1期162戸が即日完売した。両社は4月12日にニュース・リリースするはずなので、詳細はそちらを読んでいただきたい。ここでは率直な感想に留めたい。
物件は、東京メトロ東西線葛西駅から徒歩18分(バス8分徒歩1分)、江戸川区東葛西9丁目の工場地域に位置する14階建て全439戸。専有面積は58.48~84.08㎡、第2期(戸数未定)の予定価格は2,900万円台~5,900万円台(最多価格帯4,400万円台)、坪単価は214万円。設計・施工は長谷工コーポレーション。竣工予定は平成31年8月下旬。販売代理は長谷工アーベスト。
現地は、大規模商業施設「アリオ葛西」と「ホームズ葛西」に隣接。用途地域は工場地域だが、商業施設やマンション化が進んでおり、嫌悪施設はほとんどない。
建物はL字型で、住戸は約3分の2が南向きで、3分の1が西向き。平置き駐車場が257台。今回分譲は南向きで、プランは68㎡、72㎡、76㎡、84㎡の4タイプ。
テラスラウンジ
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即完を知ったときはわが目を疑った。この物件について両社は2月、記者発表会を行った。記者は出席しなかったが、業界紙がその内容を伝えた。記事を読んで、単価は安いが、バス便で439戸もあるから、「アリオ」などの大規模商業施設があるとはいえ販売は長期化するのではと判断・予測した。その判断・予測がものの見事に外れた。
即完を知って、おっとり刀で現場に駆け付けた。新日鉄興和不動産の住宅事業本部都市創造部・野上晋佑氏が興奮気味に次のように話した。
「大規模商業施設に隣接し、価格の安さ、平置き駐車場の3点セットが奏功した。社内でも『大丈夫か』などと危惧する声もあり、賛否両論があったが、手応えを感じていた。ターゲットが絞りやすく、お客さんの顔がしっかり見えていた。この結果が業界にもお客さんにも伝わり、いい流れになってほしい」
現地
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お世辞にもいいプランばかりとは言い難い。間口が5.8mの68㎡の3LDKは全23スパンのうち6スパン(合計84戸)あるが、これなどは昭和50年代の長谷工コーポの〝コンバス〟そのもので、当時〝広めの3LDK〟として成功した間取りだ。
設備仕様レベルも高いとは言えない。ディスポーザーも食洗機もついていない。郊外型のマンションとそれほど違わない。
それでも、第1期162戸即日完売に快哉を叫びたい。ひょっとしたら住宅にそれほどお金をかけない今のミレニアル世代にぴったりなのかもしれない。マンションの共用施設にはゲストルーム、キッズラウンジ、カフェラウンジ、小規模保育所などがあり、様々なコミュニティプログラムや〝コンシェルジュサービス〟も受けられる。
隣に大規模な商業施設があるのも大きな魅力なのだろう。ここでほとんどすべてを済ますことができる。葛西臨海公園も近い。この魅力を同社は訴え切ったということだろう。申込者は共働き世帯より専業主婦世帯が多いと聞いたが、これも納得。〝ここは最高。あなたは少しだけ通勤難を我慢すればいい〟というしっかり者の奥さんの声が聞こえてくる。(「アリオ葛西」「葛西臨海公園」を過小評価してはいけない。記者は7年前にその威力を実感した)
販売事務所、モデルルームもよく出来ていると思った。コンセプトの〝ALOHA〟を分かりやすく伝えている。シアタールームには本物の砂が敷き詰められていた。モデルルームにはフェイクでない観葉植物がセットされていた。「ウゴクロ」を活用した10畳大の主寝室の提案もインパクトがあった。
シアタールームの砂と木片、貝殻など
有楽土地「オーベル葛西ベイパークス」即完に納得(2010/5/14)