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2018/04/16(月) 21:51

工期20%削減 30%省力化 耐火被覆ロボット実用化へ 大和ハウス工業

投稿者:  牧田司

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「耐火被覆吹付ロボット」(「ダイワロイネットホテル東京有明」建設現場で)

 大和ハウス工業は4月16日、鉄骨の柱や梁をロックウール・モルタルで耐火被覆吹付する「耐火被覆吹付ロボット」の実用化に向けた実証実験を報道陣向けに公開した。

 「耐火被覆吹付ロボット」は、産業用ロボットアームと走行台車、昇降台車を組み合わせたロボットで、通常、鉄骨の柱や梁をロックウール・モルタルで耐火被覆吹付するには3人の職方が必要真野に対し、ロボットを使用することで職方を2人にすることができる。工期を約20%削減し、省力化率30%を目指す。2019年度には実用化する予定。

 同社は今後深刻化する人手不足の解消に向けて当ロボットをベースに塗装工事や危険な高所作業への応用など、各種ロボットアーム利用の検討を進めるとともに、BIMと連動させることにより、 ロボットが作業を行うために必要なデータ入力項目を削減し、作業時間の短縮を目指す。

 ロボットの開発に至った背景・経緯について、同社代表取締役専務執行役員・土田和人氏は「2025年の建設労働者数は2014年度比で129万人離職し、112万人不足すると推測されている。その不足分を補うには省力化と新たな担い手が欠かせない。そのためにはきつい、汚い、危険の〝3K〟から(高い)給与、(長い)休日、希望(の産業)の〝新3K〟を実現しなければならない。当社は2018年度から建設現場に『4週5休』を導入し、2021年度には『完全週休二日』を実施するロードマップを作成した」などと話した。

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人手による吹付作業

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吹付作業をするロボット

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吹付後のテコ押さえ・検査作業

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土田氏

◇       ◆     ◇

 実証実験は同社の「ダイワロイネットホテル東京有明」の建設現場で行われ、人手とロボットによるものとの比較が容易にできるように実施された。疑い深い記者は、どこかに人が潜んでおり、遠隔操作で吹き付けているのではないかと質問したが、もちろんそんなことはなかった。ロボットのすごさ、賢さを見せつけられた。

 耐火被覆は、建築基準法で定められており、1時間耐火は25ミリ、2時間耐火は45ミリ、3時間耐火は65ミリの耐火被覆吹付を行わなければならず、重要な作業であるにもかかわらず、作業員が不足しており、現場からもロボット化の声が高いという。真夏でも作業着を付け、マスクもつけなければならないので体感温度は40度、50度にもなり汗だくになるという。

 ロボットによる作業は、人手と比べてややムラがあり、ガラス繊維とモルタルを混ぜたロックウール・モルタルが周囲に飛散するロスも見られたが、ものの見事にやってのけた。

 担当者によると、人手による作業を100点満点とすると、ロボットは8~90点と合格点をつけた。

 試作品は数千万円の費用が掛かっているとのことだが、量産化が進めば数百万円に抑えられるという。

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君手危うきに近寄らず「(イケメンと口の悪い記者にはロボットが悪戯をするかもしれませんのでとは言われなかったが)少し離れてください」との担当者から事前説明があった。口の悪い記者はターゲットになると理解し、ロボットから離れ難を逃れたが、どこかのテレビ局のイケメンは事前の忠告を無視したために〝君子の交わりは淡きこと水のごとし〟そのもの、泡を吹きつけられ、モルタルの水を浴びたようだ。無害とのことだ)

 

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