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2018/04/17(火) 18:39

じわり浸透 年間100区画供給 阪急阪神不動産の戸建て「ハピアガーデン」

投稿者:  牧田司

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「ハピアガーデン深沢六丁目」

 阪急阪神不動産の戸建てブランド「ハピアガーデン」の「深沢六丁目」と「尾山台二丁目」を見学した。「長期優良住宅」認定と「住宅性能評価」の6項目すべてで最高等級を取得することで他社との差別化を図り、きめ細かな工夫を施すことでじわり首都圏で地歩を築きつつあるとみた。そこには強かな計算があると読んだ。

 阪急阪神ホールディングスグループは今年4月、不動産事業の再編に伴い、不動産事業の中核会社として阪急阪神不動産(阪急不動産から商号変更)を設立した。記者はこれまで旧阪急不のマンション〝ジオ〟は首都圏に進出してからかなり取材しているが、戸建て事業を展開する旧阪神の〝ハピアガーデン〟は一度も見学したことがないので、お願いして実現した。

 「ハピアガーデン深沢六丁目」は、東急田園都市線桜新町駅から徒歩13分、世田谷区深沢6丁目に位置する全2戸。土地面積96.22~97.98㎡、建物面積94.40~97.68㎡。価格は未定。建物は2×4工法2階建て。設計・施工・監理はイトーピアホーム。販売代理はライフステージ。

 閑静な住宅街で、1階の北側階段部分に光が差し込む窓を設けているのが特徴。LDKの勾配天井はもっとも高いところで約3800ミリ。

 「ハピアガーデン尾山台二丁目」は、東急大井町線尾山台駅から徒歩9分、世田谷区尾山台二丁目の風致地区(建ぺい率40%、容積率80%)に位置する全3戸。土地面積113.00~119.98㎡、建物面積89.84~94.52㎡。価格は未定。建物は在来工法2階建て。販売代理はライフステージ。

 こちらは、風致地区であるため制約が多いが、アウトドアテラスなどと室内を結び、1階の天井高を2号棟のみだが2.7m確保し、かつ周辺に少ない4LDKとしているのが特徴だ。エントランスから主寝室、パティオなどの床はタイル張りで、キッチンカウンターはフィオレストーン。

 双方とも「長期優良住宅」認定と「住宅性能評価」の最高等級を取得し、所在が人気が高い住宅地で、戸数が2~3戸、建物は2×4工法と在来、販売代理は大阪が本社のライフステージというところに〝ハピアガーデン〟の戦略が見え隠れする。

 同社住宅事業本部 宅地戸建事業部 宅地・戸建事業グループ首都圏担当の平山真悟氏は、「首都圏に進出して6年が経過した。これまで宅地分譲を含めて500区画弱供給してきた。当初は関西と勝手が異なり苦労したが、最近は情報収集も販売も順調に推移している。新体制になりスタッフを増やし、戸数も年間100戸くらいを目指す。長期優良住宅と住宅性能評価は大きなセールスポイントになっている。デザインもマンションの設備仕様を参考に+アルファーしてグレード感を出すようにしている」と話した。

 平山氏が話したように大手でも長期優良認定と住宅性能評価を取得しているところはむしろ少ない。同社の主力供給エリアの城西、城南では三井不動産レジデンシャルや野村不動産、その他と競合しそうだが、規模的には三井も野村も小規模はほとんどない。きちんと住み分けがができているように思う。エリアの特性に応じて臨機応変に対応しているようだ。

 城西、城南エリアでは他のデベロッパーも虎視眈々、市場に割って入ろうとしているが、この6年間でしっかり地歩を築いてきた同社がそうやすやすと地位を譲るとも思えない。

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「ハピアガーデン深沢六丁目」

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「ハピアガーデン深沢六丁目」

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「ハピアガーデン尾山台二丁目」の現場近くで群生していたハナニラ

◇       ◆     ◇

 阪神と言えば子会社の阪神タイガースだ。記事とは関係ないが触れざるを得ない。以下は、西武ファン歴60年、アンチ巨人の記者の独断と偏見に満ちた私見だ。関係者は気を悪くなさらないで読んでいただきたい。

 思い出すのは昭和60年(1985年)だ。バース、掛布、岡田が巨人・槙原投手からバックスクリーン3連発を放つなど圧倒的な打撃力で日本一(何と相手はわが西武。記者は戦う前から負けを覚悟していた)になった。

 ところが、後にも先にも日本シリーズを制したのはこの1回のみ。これは全球団の最少優勝回数タイ記録(楽天も1回のみだが、楽天の歴史は14年。阪神は82年)だ。だいたいが「死のロード」に疲れ果て、失速し、優勝を逸すパターンがずっと続いている。

 そればかりか、阪神は〝虎ウマ〟のごとく〝ダメ虎〟を象徴する嫌なニュース、出来事がメディアから執拗に繰り返し報道される。展覧試合で長嶋茂雄氏にサヨナラ本塁打を打たれたのがそうだし、「ベンチがアホやから野球がでけへん」と球史に残る名言を江本孟紀氏に吐かれたのが最たるものだ。

 監督と言えば、知的で頭脳的な采配を揮って球界をリードしているわが西武とは真逆の、雑で大雑把な采配がいつも身内からもやり玉にあがる。選手も選手で、素晴らしい力を持ち実績を残しながら、マスコミの餌食になりスキャンダルなどで潰される。

 ファンと言えば、負けることに価値を見出すような、マゾヒスト根性をむき出しにし、何かの間違いで優勝などをすると芥にまみれメタンガスが充満する、下手をすると死を差招くことにもなりかねない、もう畏怖するしかない道頓堀川ダイビングを挙行する。

 阪神ファンで知られる国際日本文化研究センター教授・井上章一氏が「阪神はやめられない。もうこれは、麻薬だ。アヘンである。『宗教はアヘンだ』というマルクスのひそみにならえば、宗教なのかもしれない」(朝日文庫「関西人の正体」)と言った通りだ。

 しかし、それでも本体はびくともしないのが不思議といえば不思議だ。同社の鉄道事業の売上高353億円(平成29年3月期)に対して球団は200億円を突破している模様で、きっちり利益も7億円確保している。いわばドル箱だ。

 それはなぜか。東の「東京」に対抗する西の大阪(甲子園は兵庫だが)なのか、首都の「東京」に敵愾心を燃やす関西圏の象徴なのか、誰が名付けたか知らないが「伝統の一戦」なるプロパガンダ、デマゴーグを流布したのも奏功したのだろう。観客動員数は読売巨人軍に次ぐ多さだ。これだけは西武もかなわない。称賛に値する。なんとも羨ましい限りだ。

 余談だが、販売代理のライフステージの会社概要を見てびっくりした。何と今年2月に東証一部へ上場変更を果たしたビーロットの子会社とあるではないか。ビーロット・宮内誠社長は、オリックスの元社長、会長でオリックス・バファローズのオーナー宮内義彦氏の息子さんだ。阪神とオリックスはどこかでつながっているのか。ビーロットの長谷川進一副社長からは「夢はプロ野球球団を持つこと」と10数年前に聞いたが、ひょっとしたら阪神かオリックスの球団オーナーになれるかもしれない。

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「ハピアガーデン深沢六丁目」の現場近く

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「ハピアガーデン深沢六丁目」の現場近くのハナミズキ

 

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