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2018/06/02(土) 19:00

「生きているうちが花よ」「2人に1人がん」 新小岩駅前の商店街を歩く

投稿者:  牧田司

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新小岩駅南口-(これが美しいか)

 「足が弱って目が見えなくなって、耳も聞こえなくなった」「90になって独り暮らし? えらいわね」「夜になると寂しい」「そうよね」「だから、電気をつけっぱなしで寝るの」「そう、それがいい。テレビをつけっぱなしという人もいるわよ」「でも、しょっちゅう、2時間おきくらいに起きちゃうの。トイレに行きたくなる」「まだまだ若いわよ」「子どもの世話になりたくないからね。子どもだって、親のために生きているわけじゃないし」「そうよね、わたしも姑で苦労したもの」「そーなの」「生きているうちが花よ」

 新小岩駅前のアーケード街「ルミエール商店街」の真ん中に置かれたベンチで二人の後期高齢者と思われる女性が話し合っていた。

◇       ◆     ◇

 次の取材まで時間があったので、約1時間、商店街を歩いた。ネオン、看板、立て看とそのコピーをいくつか紹介する。

 「コピー5円」(この前のホテルオークラは40円だった)「仏花80円」(花屋)「さらば膝の痛み」(整骨院)「生サーモン(左の店)冷シャンプー(左の店)」「2階ですけど、どうかご安心してお入りください。物件情報量と情熱だけは、どこにも負けません」(間口が狭い宅建業者)

 「100円」(回転寿司)「「らぁ麺420円」「4円パチンコ」「古着100円」「新発売いきなり値引き 本体一括0円」(モバイル)「6月羽ばたく飛翔」(トートロジーのパチンコ屋)「万引き警戒」「禁止拍照」「防犯カメラ作動中」「2人に1人ががんと言われています」(何屋だったか。記者も〝お前はダニだ〟と言われたことあり)「閉店セール オール¥30」「24時間営業 大漁」「喫煙ルーム 未成年の方の入室はご遠慮ください」(コンビニ)

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「ルミエール商店街」
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 駅前の喫煙コーナーには「葛飾区きれいで清潔なまちをつくる条例」が平成13年3月に施行されたことが紹介されていた。

 その条例には、「まちを汚す行為」として、区内の道路・公園その他の公共の場所で「吸い殻・空き缶等をみだりに捨てること」「歩行喫煙をすること」「飼い犬等のふんを放置すること」「落書きをすること」が禁止され、「区の責務」として「きれいで清潔なまちづくりを推進するための施策を総合的に実施する」こと、「区民等の責務」や「事業者の責務」には市が推進する施策に協力することが書かれている。

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「守ろうよ わたしの好きな 街だから」

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 平成18年に施行された景観法の第一条(目的)には、「この法律は、我が国の都市、農山漁村等における良好な景観の形成を促進するため、景観計画の策定その他の施策を総合的に講ずることにより、美しく風格のある国土の形成、潤いのある豊かな生活環境の創造及び個性的で活力ある地域社会の実現を図り、もって国民生活の向上並びに国民経済及び地域社会の健全な発展に寄与することを目的とする」とある。

 しかし、「良好な景観」「美しく風格のある国土」「潤いのある豊かな生活環境」「個性的で活力ある地域社会」「国民経済及び地域社会の健全な発展」とは何かについては、全文を読んでも全く書かれていない-〝カオスが美だ〟という説もある。

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新小岩駅(左)と秋葉原駅のホームの階段(どっちがきれいか)

 

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