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2018/06/12(火) 23:57

「ビジネスとして確立しているとは言い難い」 岡本・マンション管理協理事長

投稿者:  牧田司

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岡本氏(週刊住宅提供) 

 マンション管理業協会は6月12日、定時総会後の懇談会を開いた。

 冒頭、挨拶に立った岡本潮理事長(東急コミュニティー会長)は、「本日は、期せずして、トランプ大統領と金正恩委員長の史上初めての米朝トップ会談という特別の日になりました」と切り出し、次のように語った。

 「マンション管理業は、マンションの資産価値と居住価値を維持し、向上させていくという大変重要な社会的な意義を持つ事業です」「マンション管理業界は、この社会的役割を自覚し、その役割をしっかりと果たし、管理組合、ユーザー、また社会全般からの『高い評価と厚い信頼』を得ていかなくてはなりません」「中期事業計画では…『マンション管理業の成長発展・社会的評価の向上』、『業界従事者の処遇改善・社会的評価の確立』という2つのミッションを確実に実現していく、具体的な個別課題を5年間の実施工程表にまとめ…課題を一つひとつ実現していくことを目指してまいります」

 「現状では、マンション管理業は、『ビジネス』として確立しているとは言い難い状況にあると思います。その中で、特に私が強調したいと思うキーワードが『マネジメント力』です。昨今の、急速に進む少子高齢化・人口減少、大規模災害の発生確率の増大、マンションの建物と居住者の2つの高齢化、また業界の人手不足といったマンションを巡る事業環境の変化は急速です。今後この変化のスピードは益々上がっていくことが予想されます」

 そして、「マネジメント力」については、管理組合に対する組合会計改善についてのマネジメント提案と、管理会社自身の経営マネジメントレベルの向上を訴え、「今後は、自らのビジネスモデルの変革を進め、『マネジメント力』を磨き上げていかなくては、その社会的役割を果たすことができなくなっていく」と締めくくった。

◇       ◆     ◇

 記者は、他の取材があり、懇親会に駆け付けたときは、すでに岡本理事長の挨拶は終わっていたが、幸運にも挨拶文を入手することができた。岡本理事長がこの通りに話されたかどうかは分からないが、九分九厘この通りに話されたはずだ。

 記者はこの文書を読んで、「現状では、マンション管理業は、『ビジネス』として確立しているとは言い難い状況にある」という文言にショックを受けた。

 そしてすぐ、2012年に行われた国交省の第2回「マンションの新たな管理ルールに関する検討会」で、安藤至大委員(当時、日本大学大学院総合科学研究科准教授)が、プリンターのリース料を安くして、トナーなどの維持管理費で儲けるという例えとして管理業を皮肉り、村裕太専門委員(当時、三井不動産レジデンシャル開発事業本部都市開発二部部長)がその発言に不快感を示し、結局、安藤氏が発言は適切でなかったとして取り消した場面を思い出した。

 今回は身内のしかも業界団体の長の発言だ。ズシリと重い。

◇       ◆     ◇

 この日で任期満了に伴い副理事長を退任した栗原清氏(大京顧問、前大京アステージ会長)は「今年度を初年度とする協会の中期事業計画がスタートしたばかりで退任することになり、実行したいことが何一つできなかったのが残念」と、無念さをにじませた。

 どこの業界団体も同じだろうが、理事などの役員は、本人の意向より所属会社の意向・決定が優先する。

 岡本理事長の「管理業はビジネスとして確立しているとは言い難い」発言と共に考えないといけないことかもしれない。米朝会談の記事に使用されているマスコミの写真は外国の通信社からの借りもの(ただではないはず)だったのには失望した。岡本氏の写真はただではなく、バーターです。

 

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