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2018/08/24(金) 15:26

「働き方を変える集合住宅」がテーマ 長谷工コーポが学生コンペ

投稿者:  牧田司

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 長谷工コーポレーションは8月24日、建築を志す学生を対象とした第12回「長谷工 住まいのデザインコンペティション」を実施すると発表した。

 コンペは、社会貢献活動の一環として2007年から実施しているもので、今回のテーマは「働き方を変える集合住宅」。長時間労働や少子高齢化に伴う労働人口減少、保育や介護との両立などの問題が生じ、働き方が社会問題となっている一方で、中古マンションの販売数が新築を超えるなどストック型社会への移行が顕在化し、シェアハウスや民泊など、所有せずシェアするという概念も現れてきていることから、働き方を変える創造的な集合住宅を提案してもらうのが狙い。

 審査委員長は隈研吾氏(隈研吾建築都市設計事務所代表・東京大学教授)が務める。

 応募資格は2018年12月31日時点で学生であること。賞金は最優秀賞(1点)が100万円。登録・作品提出締切は2018年11月13日(火)必着。登録方法はデザインコンペティションホームページhttp://www.japan-architect.co.jp/haseko/2018/へ。

◇       ◆     ◇

 ワクワクするようなテーマだ。記者は普通のファミリーが無理なく質が高い(基本的には広さ)住宅を取得できることを願っているのだが、世の中は閉塞感が充満し、どんどん逆方向へ突き進んでいるとしか思えない。「マンションは『駅7分以内』しか買うな!」なる本が売れる時代だ。

 その流れを止め、本流に戻すためには働き方改革しかないと思っている。しかし、政府が目指す働き方改革は「働き方改革こそが、労働生産性を改善するための最良の手段である。生産性向上の成果を働く人に分配することで、賃金の上昇、需要の拡大を通じた成長を図る『成長と分配の好循環』が構築される」(働き方改革実現会議)とあるように「生産性の向上」が大前提であり、一人ひとりの働き方が優先されるわけではない。残念ながら「生産性の向上」に〝貢献〟できる労働者はごく限られた人に過ぎないのではないか。圧倒的多数派の経営者も労働者も回し車のネズミと化すのではないかと記者は危惧する。

 このような時代の流れを建築系の学生さんがどうとらえ、「働き方」そのものを変える集合住宅にどうチャレンジするか。

 同社は、結果を「新建築」2019年2月号とコンペティションホームページ上で発表するとしているが、是非とも審査模様をメディアに公表してほしい。驚天動地のプランが出現するのではないか。

 

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