「オーベル住吉マスターテラス」完成予想図
大成有楽不動産の「オーベル住吉マスターテラス」と「オーベル藤が丘」を見学した。前者は東京メトロ半蔵門線住吉駅から徒歩3分の全70戸、後者は田園都市線藤が丘駅から徒歩2分の51戸。同社は、メディア向けに2物件のニュース・リリースをほぼ同時期に発信した。
記者は、基本的にこの種の発売ニュースは紹介しない。デベロッパーがマンションを販売するのが主たる業務だ。よほど特殊な物件ならいざ知らず、50戸、70戸の物件をリリースそのまま引き写して記事にする価値はないと思っている。だから、両方とも見学することにした。
まず、「住吉」から。物件は、東京メトロ半蔵門線住吉駅から徒歩3分、江東区住吉一丁目に位置する13階建て全70戸。専有面積は66.60〜75.46㎡、価格は未定だが坪単価は300万円台の前半に落ち着く模様だ。竣工予定は2019年12月上旬。施工は長谷工コーポレーション。
現地は、三方道路の角地。用途地域は準工業地域、商業地域だが、マンション化が進んでおり、嫌悪施設はほとんどない。それどころか、敷地北側は道路を挟んで公園。南側は高層マンションが建っているが、まずまずの環境にある。
建物は西向きが中心。公園が眺められるセットバック住戸はルーフバルコニー付き。歩道上空地の前面には植栽を施し、インターロッキング舗装としている。
住戸プランの基本性能・設備は、二重床・二重天井、フル装備の同社オリジナルオレンジ収納、リビング天井高は2450ミリが標準、食洗機、フィオレストーンキッチン天板、ミストサウナなど。
リリースによると、住吉駅徒歩3 分以内の分譲マンションは16 年ぶりの供給で、5月からの資料請求は想定を上回る約600件に達しているという。分譲は11月の予定。
エントランス(完成予想図)
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リリースを読んで、もう笑うしかなかった。「『田町』『青山一丁目』『豊洲』駅などと同距離の『東京』駅4.5km圏内に位置」とあるではないか。
物件がいかに都心に近いかを同心円で描いて示すのはデベロッパーの常套手段だか、「青山一丁目」と同距離であるのにびっくりした。坪800万、900万円と一緒かと。なるほど。嘘はない。
ややマイナーな「住吉」がどのような位置にあるかをよく伝えている。同社はかつて「勝島」でも同じような広告展開を行って成功している。「品川駅圏のマンション」を前面に打ち出し、大井競馬場や倉庫街としてか知られていなかった「勝島」をマンション化が進む住宅地であることをアピールした。
さて、肝心の価格。同社は「未定」としているが、坪単価は300万円台前半に収まると予想される。街のポテンシャルをどう考えるかだが、「大手町」へ電車で10分圏という利便性を考えると、割安感がある。東京駅を中心とする4.5km圏の主要なエリアは坪400万円以上だ。300万円台は東側エリアしかない。ファミリー向けに受けるかもしれない。
清洲橋を渡れば徒歩3分で中央区アドレスとなる江東区の野村不動産「プラウド清澄白河リバーサイド」を思い出した。