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2018/10/05(金) 16:20

末長組の矜持を見た 傾斜地だからこそ生きる技術力 「ロイヤルシーズン西麻布」

投稿者:  牧田司

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「ロイヤルシーズン西麻布」完成予想図

 末長組が分譲中の「ロイヤルシーズン西麻布」を見学した。同社が得意とする傾斜地の自社施工マンションで、PRC構造により柱・梁型を極力なくした空間と多面採光を実現し、無垢・挽き板をふんだんに用いているのが特徴。坪単価620万円は割安感がある。

 物件は、東京メトロ日比谷線六本木駅から徒歩8分・広尾駅から徒歩9分、港区西麻布3丁目の第二種中高層住居専用地域(建ぺい率60%、容積率200%)に位置する8階建て(建築基準法上は地上5階、地下3階建て)全43戸。現在分譲中の第2期(9戸)の専有面積は49.48㎡~93.38㎡、価格は7,080万~20,200万円。坪単価は620万円。竣工予定は平成31年3月中旬。施工は末長組。販売代理はライフコーディネーター。約3分の1が分譲済み。

 現地は、ゆるやかな南下がりの傾斜地で、南側と北側に接道。それぞれの出入り口との比高差は4層分。南側道路のはす向かいはルーマニア大使館。

 建物は、吊り橋などに採用されているPC鋼線をコンクリ内に埋め込むことで躯体の強度を高めたPRC構造(プレストレス鉄筋コンクリート構造)とF2システム(PRC構造+耐震壁付ラーメン構造)を採用して、住戸内に柱・梁型が極力出ないようにしている。また、コンクリだけで防水できる工事も施している。

 住戸プランは43通り。エレベーターを4基設置し、各住戸の独立性を高めるとともに、吹き抜けを随所に設けることで多面採光を実現している。

 設備仕様は、ドアに無垢のウォールナットを採用しているほか、床は大理石とウォールナットの挽き板、ディスポーザー、オリジナル食器棚、サッシ下とその周りの壁の大理石張り、Low-E複層ガラスなど。

 販売担当のライフコーディネーター受託営業部長・佐藤義典氏は、「末長組は傾斜地が多い川崎市高津区で造成工事を請け負ってきた50年の歴史がある会社。多面採光が基本的理念で、土地が平らなところではやらないし、他社施工も請け負わない。差別化ができないし、コスト的にも難しい。傾斜地だからこそ技術力が生きる。2~3年前に都心のマンションも手掛けるようになった。仕入れ-施工を一貫して行っているからこそこの価格で分譲できる」と話した。

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モデルルーム

◇       ◆     ◇

 末長組のマンションを取材するのは「溝の口CASA」以来6年振りだ。その記事を添付したのでぜひ読んでいただきたい。信じられないだろうが、その物件は91戸に対して7基エレベーターが設けられていた。単純計算して13戸に1基の割合だった。今回は4基だから11戸に1基だ。

 エレベーターを設置すれば避難階段も同数だけ設置することになる。これだけでも工事費が嵩むことが容易に想像できる。普通のマンションは50戸に1基ついていればいいほうだ。

 出隅入隅が多いのにも驚いた。採光・開口部は、ペントハウスタイプの120㎡のタイプが11カ所なのはともかく、専用エレベーター付き151㎡のタイプが9カ所(うちコーナーサッシが3カ所)、49㎡のタイプでも6カ所だ。

 無垢のウォールナットを採用したリビングドアと居室ドアは内にも外にも開くもので、リビングドアの重さは60キロだという。1枚数百万円もするドアをたくさん見てきたが、今回のドアはシンプルで美しい。

◇       ◆     ◇

 同社の企業理念をホームページから引用する。

 「末長組の思いは、創業以来一貫して変わっていません。まず、私たち自身が住みたいと思える住まいをご提供しよう。つくり手である私たちが心底好きになれるものでなければ、 住んでいただく方にご満足いただくことなど到底できない、と」

 先に書いたサッシ下とその周りの壁の大理石張りは、窓を開けたとき吹き込む雨などにより床が劣化するのを防ぎ、メンテもしやすいよう、長年の経験からそのようにしていると聞いた。同社の矜持を見た。

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北側からの外観

傾斜地を得意とする末長組の「ロイヤルシーズン溝の口CASA」(2012/8/24)

 

 

 

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