大和ハウス工業が11月に分譲するマンション「プレミスト赤坂翠嶺」を見学した。販売担当の販売事務所長・島田隆弘氏が「六番町? その比ではない」と豪語した通り、設備仕様レベルは高い。全19戸(非分譲1戸含む)の小規模物件だが、すでに半数くらいに申し込み要望が入っているという。
物件は、東京地下鉄丸ノ内線赤坂見附駅から徒歩6分、千代田線赤坂駅から徒歩6分、港区赤坂四丁目の敷地面積約457㎡の第2種住居地域に位置する11階建て全19戸。専有面積は65.81~71.12㎡、価格は未定だが坪単価は650万円になる模様。施工は日本国土開発。竣工予定は平成31年3月上旬。
現地はかつて政財界人がよく利用したというヒルトップの料亭跡地。住戸は1フロア2戸(11階は1戸のみで非分譲)。全戸南向き。4~5層くらいまでは前建の影響を受けるが、それ以上は開けている。
デザイン監修は、同社の人気マンション「プレミスト九段」を手掛けたデザイン・ファーム合同会社代表・向井裕氏。モデルルームのインテリアデザインは数多くの高額マンションを担当している三井デザインテック・黒須理枝氏。
主な設備仕様は、挽き板フローリング、突板建具家具、リビング・キッチン・居室床暖房、バキューム式ディスポーザー、ミーレ社製食洗器、電子コンベック、ウルトラ・セラミックストーンのキッチン天板、リビング天井高2600ミリなど。
販売担当の同社東京本店マンション事業部第一事業部営業第一課販売事務所長・島田隆弘氏は、「周辺はコンパクトマンションが中心。当社の物件は1フロア2戸だが、四方に緑を配したランドスケープデザイン、一枚一枚手張りの外壁、隠れ家を演出したエントランス、料亭の土間をイメージしたアプローチ、光天井、ロートアイアン格子、版築、本物の木の庇などを使用したホール、竹林の庭などしっかり造りこんだ。キッチンはセラミック製、浴室のタイルは600角、バルコニーの手摺はロートアイアン…どこにも負けません」と話した。
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島田氏が豪語するだけのレベルにある。冒頭の「六番町」とは、同社が2年前に分譲したマンションで、記者は「三井不動産のパークマンションに負けない仕様」と書いた。
その「六番町」と今回の「赤坂翠嶺」の仕様レベルについては、何とも言えない。同社内でも意見が分かれるのではないか。
だが、本物志向で美しいというのは共通している。模型写真を見ていただきたい。「六番町」もそうだったが、シンメトリーの外観が美しい。組子・格子をデザインに取り込み、手張りでタイルを張ったという。バルコニーに本物のロートアイアンを使用するマンションは最近見たことがない。
モデルルームの出来もいい。三井デザインテック・黒須氏を起用したのにも力が入っていることをうかがわせた。
もう一つ。モデルルームはホテル・オークラと繋がっている新紀尾井町ビルにあるのだが、ここでは「プレミスト代々木公園パークフロント」35戸の接客を兼ねており、坪単価675万円ながら残りは2~3戸と聞いてびっくりした。
この仕様レベルで大規模なマンションを見たいのだが…。
モデルルーム キッチン