RBA OFFICIAL
 
2018/10/23(火) 22:53

終わりよければすべてよし 官民協働で拓く「森林×SDGs」シンポに200名

投稿者:  牧田司

IMG_1328.jpg
「官民協働で拓く『森林×SDGs』シンポジウム」(全国都市会館大ホールで)

 書かない(未然)、書きます(連用)、書く(終止)、書くとき(連体)、書けば(仮定)、書け(命令)-書こう。美しいし森林づくり全国推進会議と林業復活・地域創生を推進する国民会議は10月23日、「官民協働で拓く『森林×SDGs』シンポジウム~新産業創出と地方創生につなぐ、分野横断的な森づくり・木づかい~」を行った。約200名が集まった。

 出だしは最悪だった。冒頭、3名の方が挨拶に立たれた。このうちの2人の方はそれぞれ数分間、聴衆に向き合わず、ほとんど(文章が用意されていたのか)下を向くかプロジェクターに呼び掛けるのみで、一通りの挨拶を済ませると〝そそくさ〟と降壇した。情けない。残念至極。

 〝そそくさ〟は記者が受けた印象だが、あり得ない光景だった。これが何かのプレゼンだったら、審査員はみんな×印を付けたはずだ。もう帰ろうかと思った。それでも我慢したのは「森林×SDGs」のタイトルに期待したからだ。

 そのあと基調報告として登壇された川廷昌弘・博報堂DYホールディングスグループ広報・IR室CSRグループ推進担当部長は、「アドレナリンが出っぱなしといつも注意を受ける」と〝過ぎたるは猶及ばざるが如し〟を自覚されていたようだが、熱っぽく聴衆に呼び掛けた。

 それからまた4人の方が合計で約2時間かけて概要報告をされた。配布されたプロジェクター用の資料は全72ページ。すべて紹介されたわけではないが、びっしり文字が書き込まれた図表を1枚につき約30秒で読まされる聴衆はたまったものじゃない。〝文字が小さい!〟と渡辺謙さんのように叫びたくなった。

 それでも救いがあった。最後に登壇された東急リゾートサービス 資産企画統括部グループリーダー・徳田圭太氏は、「アカデミックな話ではなく、現場・生の声を報告したい」と切り出し、660haの「東急リゾートタウン蓼科」が2012年の土砂災害を受け、その復興に取り組むうちに単なる土木対応では災害を奉仕できないと考え、「守る」(間伐)-「つなぐ」(育てる)-「使う」(利用)することこそが「我々の使命」に気づき、「MORIGURASHI」事業を展開するようになったと話した。プロジェクターはほとんど使用しなかった。

 徳田氏から〝森と山と幸と恵み〟と紹介された同じ部署の森山幸恵氏は、様々なイベントなどを行うことで「今年の夏は大盛況だった」と語った。

 二人の概要報告に、パネルディスカッションのコーディネーターを務めた東京農大教授で美しいし森林づくり全国推進会議事務局長の宮林茂幸氏は「それこそSDGsの実践者」と讃えた。

 パネルディスカッションでは、あらゆる生産活動、消費活動をSDGsの視点から問い直し、プラットホームを構築することが必要とパネリスト全員が確認しあった。

 記者は終わりよければすべてよしと安堵した。参加者も同じ感想を抱いたのではないか。

IMG_1336.jpg IMG_1342.jpg
徳田氏(左)と森山氏

IMG_1352.jpg
宮林氏

◇       ◆     ◇

 SDGsは、「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略で、2015年9月の国連総会で採択された「Transforming our world :the 2030 Agenda for Sustainable Development (我々の世界を変革する:持続可能な開発のための2030アジェンダ)」と題する成果文書で示された具体的行動指針。17のグローバル目標と169のターゲット(達成基準)から構成されている。

 

rbay_ayumi.gif

 

ログイン

アカウントでログイン

ユーザ名 *
パスワード *
自動ログイン