「Kosugi 3rd Avenue(コスギ サード アヴェニュー ザ・レジデンス)」
三井不動産レジデンシャルと東急不動産の住宅・商業・公共公益の複合一体開発「Kosugi 3rd Avenue(コスギ サード アヴェニュー ザ・レジデンス)」を見学した。先月25日に抽選分譲された第1期174戸は1~12倍、平均2倍で即日完売したというからすごい人気だ。3タイプのモデルルームもそれぞれコンセプトが明確で、インパクトがあった。
物件は、JR線・東急東横線・目黒線武蔵小杉駅から徒歩2分、川崎市中原区小杉町三丁目に位置する38階建て全519戸(販売総戸数465戸、事業協力者戸数54戸含む)。専有面積は41.99~100.29㎡、坪単価は360万円。入居予定は2020年12月中旬。施工は大成建設。
施行面積約1.1haの小杉町3丁目東地区第一種市街地再開発事業として建設されているもので、1階から4階までは商業・業務・公共公益施設。子育て施設、自治会館、多目的ホール、広場などが併設される。コンセプトは「3世代、3用途、3つの広場が結びつき、自分らしい日常が広がっていく」ミクストユース。物件名にもその思いが込められている。
住宅部分は4階から38階まで。標準階は1フロア15~16戸構成。これを面積ごとにみると、40~50㎡台が7戸、60㎡台が1戸、70㎡台が6戸、80㎡台が1戸というように、小家族用の比率が高いのが特徴。
主な基本性能・設備仕様は、リビング天井高2550ミリ、ディスポーザー、食洗機、御影石またはシーザーストーンキッチン・洗面カウンター、グローエ水栓、ミストサウナ、Low-Eエコガラス、突板建具(一部)など。モデルルームは、59㎡、68㎡、89㎡の3タイプ。
ゲストサロン所長・渡辺英喜氏や同社横浜支店開発室・石井諒氏によると、「予算的には坪330万円という人が多い。一番人気は30戸しかない89㎡のタイプで、価格は8,500万円台から1億2,500万円台。三井デザインテックの黒須理枝氏が担当した59㎡台はすべて完売。68㎡台は親子3人がそれぞれ利用できるカウンターを提案しているのが受けている」と話した。
第1期174戸が即日完売したことを受けて、年内に10~20戸を第1期2次として追加販売する予定だ。
ステップガーデン
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モデルルームは3タイプとも非常によくできているという印象を受けた。記者が一番好きなのは、黒須氏がデザインを担当した59㎡のタイプだ。リビングサイドの居室・寝室は小上がりとし、隣り合う浴室窓はスルーガラス。ホテルにありそうな非日常を演出している。
89㎡のタイプが人気になったのもよく理解できる。費用は100万円単位の収納・建具の提案がいい。これくらいの戸数なら1億円前後でも売れるはずだ。親子3人が利用できる68㎡のカウンターの提案もいい。
59㎡のモデルルーム
68㎡のモデルルーム
89㎡のモデルルーム
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住戸プランは、40~50、60㎡台が半数にのぼり、70㎡台でも角住戸を除き70~71㎡台が多いのは、武蔵小杉では今回で6棟目の供給で、ユーザーのニーズを熟知している三井レジの戦略であり、購買力とも密接な関係がありそうだ。
さすがに坪単価が300万円をはるかに超え360万円ともなると、パワーカップルとはいえ20坪で7,000万円というのは負担が大きい。「予算的には坪330万円という人が多い」という関係者の言葉がそれを裏付けている。これは住友不動産「シティタワー武蔵小杉」でも感じたことだ。
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市のデータによると、武蔵小杉駅周辺では平成18年からこれまでに約7,900戸(賃貸含む)が供給されており、今後の計画を含めると1万戸近くに達する。すごい数ではあるが、東京、品川、渋谷、新宿、川崎、横浜などに10~30分圏であることを考えると、これくらいの戸数を吸収するキャパシティはあると思う。
今回、取材時間まで少し余裕があったので駅直結の「エクラスタワー武蔵小杉」に併設されている中原図書館に寄ってみた。ほとんど満席たった。5階と6階のフロアに蔵書が約30万冊。羨ましい。
だが、しかし、記者がポテンシャルの高い街の必須要件にしている食事・冠婚葬祭・会議などに利用できるホテルがここにはない。今後も建設されそうな計画はない。この街で生まれ育った人はここを〝故郷〟と呼べるのか。
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