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2018/12/05(水) 13:00

千葉県最大のマンション建て替え 野村不・イニシア・長谷工コーポ「若潮ハイツ」

投稿者:  牧田司

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「若潮ハイツマンション建替え事業」完成予想図

 野村不動産・コスモスイニシア・長谷工コーポレーションは12月3日、千葉市美浜区の「若潮ハイツマンション建替え事業」を着工したと発表した。「若潮ハイツ」は、1973年に若潮国体の選手村として整備された全13棟・500戸の団地で、建て替え後は全9棟・1,000戸規模のマンションとなり、千葉県内最大規模の案件となる。

 建物の老朽化と居住者の高齢化に伴う様々な問題が表面化したために、2008年から長谷工コーポレーションがコンサルタントとして支援を開始し、2013年に野村不動産が、さらに2015年にコスモスイニシアがそれぞれ事業参画。2016年12月に一括建替え決議が成立、2017年6月にマンション建替組合設立の認可を取得した。

 敷地を2つに分割し、先行して施工・分譲する「A敷地(397戸)」は2020年12月の入居予定。その後に施工する「B敷地(約600戸程度:建築確認未取得)」は2024年度に竣工する予定。

 現地は、JR京葉線検見川浜駅から徒歩10分、千葉市美浜区真砂二丁目に位置。A敷地は14階建て397戸(分譲戸数272戸)。専有面積50.89~92.45㎡。施工は長谷工コーポレーション。入居予定は2020年12月下旬。

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 このニュースにはいささか驚いた。「若潮ハイツ」がある京葉線検見川浜は、バブル崩壊後では三井不動産レジデンシャル「パークシティ検見川浜」(674戸、2000年竣工)、セザール「セザール検見川浜」(234戸、2000年竣工)、野村不動産・三井不動産レジデンシャルなど「検見川浜レジデンス」(379戸、2011年竣工)、伊藤忠都市開発「クレヴィア検見川浜」(156戸、2013年竣工)などを取材しており、東日本大震災のときも液状化の被害をつぶさに見学している。

 その地で1,000戸もの建て替えが行われるとは…。果たして売れるのか、価格はどうなるのかという疑問が真っ先に浮かぶ。野村不動産が幹事だった「検見川浜レジデンス」の土地の取得価格は1種9.5万円だった(2020東京オリンピック・パラリンピック選手村「ハルミフラッグ」は1種8万円だからいかに安いかがわかるはず)。今回は建て替えだから、土地値はただ同然だろうが、建築費は2010年比で3~4割は高くなっているはずだ。よく売れて年間200戸としても完売まで5年はかかる計算だ。

 千葉市のホームページによると、「平成22年6月時点で、分譲マンションは822管理組合で約9万8千戸あり、このうち旧耐震基準のものが168管理組合で約3万4千戸となっています。なお、旧耐震基準のもののうち敷地面積が2ha以上の大規模なものが37管理組合約2万2千戸あります」とある。

 今回は戸数的にはそのうちの5%にも満たないが、それでも成功してほしいと願う。

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