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2018/12/16(日) 21:17

平成30年度手づくり郷土賞 「大歩危」「小樽雪あかり」がグランプリ賞

投稿者:  牧田司

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平成30年度手づくり郷土賞グランプリ&ベストプレゼン賞に選ばれたJR大歩危駅活性化協議会(東京国際交流館プラザ平成で)

 国土交通省は12月16日、平成30年度手づくり郷土賞に選定された全23団体(一般部門20団体、大賞部門3団体)活動報告・グランプリ発表会を開催し、一般部門は「徳島県三好市・地域の駅から世界の大歩危駅へ」(JR大歩危駅活性化協議会、以下「大歩危」)を、大賞部門は「北海道小樽市小樽雪あかりの路」(小樽雪あかりの路実行委員会、以下「小樽雪あかり」)をそれぞれグランプリに選んだ。また、会場参加者の投票によるベストプレゼン賞には、投票総数119票のうち36票を獲得した「大歩危」が選ばれた。

 「大歩危」は、平成22年10月に無人化されたJR大歩危駅に賑わいを取り戻そうと、同年11月に協議会を設立。駅構内や周辺の清掃活動、サクラの植樹やライトアップなどを行い、駅事務所を観光案内所に改装し、国内外に情報を発信した結果、駅利用者は平成22年の約2万5千人から平成30年は約4万人に増加する見込みになっており、駅の利便性向上や地域の活性化に寄与していることが評価された。

 「小樽雪あかり」は、従来では観光資源として考えられなかった厳寒地の冬の夜という条件を逆手にとって、延べ12万本のキャンドルの灯かりを歴史的世界遺産である小樽運河の街の夜を演出するイベントを開催。韓国や中国からの海外ボランティアもPR活動に一役買うなど冬場の来街者、宿泊客が劇的に増加したのが評価された。

 ベストプレゼン賞の受賞理由は明かされなかったが、総勢10人くらいが法被や菅笠姿で壇上に上がり、中国語や韓国語などの外国語を含めた幟を立てて活動をアピールし、「限界集落から玄関集落へ」などと親父ギャグを放ったのが圧倒的な人気を呼んだ模様だ。

 選定委員長の横浜市立大学国際総合科学部教授・鈴木伸治氏は、「応募があった53作はみんな個性的かつ魅力にあふれており、23作に絞るのに苦労した。とてもハードルが高い賞だ。これほど地域を巻き込んだ活動をしているのは他の国にはない。その意味でわが国は先進国だ。廃線、廃校など危機的状況に直面し、生活が衰退していくという危機感がきっかけになっているというのが特徴でもある。これら地域資源を支える活動を多くの地域に伝えていただきたい」と講評した。

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グランプリ賞に選ばれた「大歩危」(左)と「小樽雪あかり」(いずれも写真左は鈴木氏)

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「小樽雪あかり」プレゼン

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W受賞を喜ぶ「大歩危」関係者

◇       ◆     ◇

 参加者全員がベストプレゼン賞を選べるというので、伊勢出身の記者は「三重県伊勢市 伊勢河崎・町並みと川を生かしたまちづくり~伊勢河崎商人館を核とした暮らしのデザイン~」(特定非営利活動法人伊勢河崎まちづくり衆)に一票を投じようと決めていた。

 しかし、みんな甲乙つけられない素晴らしい活動をされているので、これは公平に選ばないと失礼と改め、約3分のプレゼンを完璧に演じた「岐阜県美濃市 美濃和紙あかりアート展」(美濃和紙あかりアート展実行委員会)を選ぼうか、それとも「限界集落から玄関集落へ」などと〝親父〟ギャグと呼ぶにはあまりにも年を取りすぎたおじいさん・おばあさん(皆さん70歳代のようだ)たちの奮闘ぶりに感動した「大歩危」を選ぼうかと判断に迷ったが、「美濃和紙」は他のイベントでも表彰されているはずなので、「大歩危」に投票した。他の参加者の皆さんも同じように考えたのだろう。

 グランプリを逸した他の団体は、3分間しかない時間を有効に使えていなかったような気がした。訴えたいことよりも聞き手は何を知りたいかを考え、ワンフレーズで決める工夫をすべきだと思った。総じてしゃべりすぎだった。

 国土交通省の担当者の方へ。一般参加者が増えるようイベントの方法を考えるべきだと思う。1団体に付き3分のプレゼン時間は短すぎるし、他方で休みなく23団体のプレゼンを聞かされるのもまたかなり苦痛だ。

 また、大学教授など専門家の審査員を呼んでいるのだから、講演や受賞団体を交えたパネル・ディスカッションなどを行ってもいいのでは。プレゼンより、各団体のブースを設け、参加者が自由に聞けるようにしたほうが効果的ではないか。

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