明和地所が1月26日から分譲開始した「クリオ レジダンス横濱ベイサイド」を見学した。JR東神奈川駅から徒歩13分の全149戸。再開発が予定されているエリアの一角で、第1期1次15戸は10戸が成約し、残りも予約が入るなど好調なスタートを切った。
物件は、JR京浜東北線・横浜線東神奈川駅から徒歩13分、横浜市神奈川区星野町の工業専用地域に位置する11階建て全167戸(住戸149戸、事業協力者住戸16戸、事業協力者店舗1戸、管理事務室1戸)。第1期1次(15戸)の専有面積は66.52~105.61㎡、価格は4,982.4万~8,989.4万円(最多価格帯5,600万円台)。入居予定は2020年3月下旬。設計は啓建築設計。施工は三井住友建設。
現地はスーパーの敷地跡地。用途地域は工業専用地域だが、都市再生特別地区に指定されていることから用途、日影などの規制は受けない。敷地南側は公園。
近接地の約7.5haでは「高島駅北地区土地区画整理事業」の都市計画決定、組合設立も認可されており、42~52階建てトリプルタワーマンションが建設されることになっている。事業地内にあるJR貨物線は旅客用として利用する構想も浮上している。また、みなとみらい地区(約1.6キロ)まで徒歩や自転車で行けるよう舗道が整備される予定。
建物はL字型で東向きと南向きが中心。冬至時には、敷地東南側に建つ「コットンハーバータワーズ」の日影の影響を受けるそうだ。1階にはスーパーマーケットが設置予定。
主な基本性能・設備仕様は、ディスポーザー、食洗機、2200ミリハイサッシ、ワイドスパンなど。スパンが8.7m以上の100㎡以上は27戸。
クリオライフスタイルサロン横浜の前田崇裕氏は、「エリアの将来像が明確になっておらず浸透もしていませんが、価格についてはみなさん値ごろだと思っていらっしゃる」と話した。
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値付けが難しい。同社も迷ったかもしれない。東京建物が2年前、東神奈川駅前で分譲したマンションの坪単価は約350万円。瞬く間に売れた。しかし、これは参考外。立地がまるで異なる。
10年くらい前にJFE都市開発、三菱地所、野村不動産の3社による「コットンハーバータワーズ」4棟926戸は坪単価160万円で、こちらもあっという間に売れた。これとの比較も難しい。時代が異なる。
頼りになるのはみなとみらい21地区や横浜駅圏のマンションは軒並み坪400万円を突破してきており、横浜市外でも利便性の高い物件は坪300万円を超えてきていることだ。
区画整理事業地内で建設される三井不動産レジデンシャルとJRのタワーマンション3棟は1棟500戸として1,500戸くらいになると思われるが、間違いなく坪300万円を超えるはずだ。仮に貨物線が旅客用として供用されるようになったら、価格はさらに跳ね上がる。
今回の同社の単価ははじいていただきたい。記者はびっくりした。〝安い〟という意味で。みなさんはいくらの値を付けるか。
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この物件のためにリニューアルした2つある常設モデルルームのうち一つは約100㎡。デザイン監修は、昨日のモリモト「高津」でも書いたカン・デザインオフィスの鈴木ふじゑ氏だ。同氏を起用するのは「クリオ駒沢公園」「横濱ザ・マークス」以来だそうで、これだけでもいかに力が入っているかがうかがえる。
間口が9mくらいあり、コットンハーバーをイメージした白を基調としたマットなデザインが美しい。
一つだけ納得できなかったのは廊下のデザインウォールだ。白と対照をなす黒のガラス素材を使用したもので、壁そのものは美しい。光の反射具合や見る角度によって微妙に変化した。黒というより濃い藍色にも見えた。ドアノブは全て壁面までセットバックされていたのもいい。
しかし、その壁面にアトランダムにスパティフィラムのような観葉植物の文様がはめ込まれていたのを見て、すぐ記者は不要だと思った。これはオプションだし好みの問題だが、鈴木氏のファンの一人である記者は容認できない。なにもないほうがいい。
アクセントをつけるなら足元に白砂や波、貝殻などを控えめに散りばめたほうがいいのでは。
前田氏と同社の女性広報担当者とこの問題についてしばし論議もしたが、二人は「好みがあるので…」と言葉を濁した。
100㎡のモデルルームにも注文を一つ二つ。同社は大和地所レジデンスとともに100㎡マンションで業界をリードしてきた。ディスポーザーを業界で初めて標準装備したのも同社だ。二重床・二重天井、リビング天井高2500ミリ、フラットサッシ、メーターモジュール廊下幅は標準装備にし、死守してほしい。
立地・プランがいい 価格も妥当で人気必死 東京建物「Brillia Tower 横浜東神奈川」(2017/4/18)