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2019/02/27(水) 23:24

土地の価値最大化 老人ホームと学生レジ事業 勝てない勝負はするな 記者の仕事も同じ

投稿者:  牧田司

 本日(2月27日)は、午前中に京王井の頭線西永福で三菱地所レジデンスの介護付き有料老人ホームの、午後は東京メトロ南北線志茂で東急不動産の学生レジデンスの完成見学会があった。前者は、月額約100万円の入居費用がかかる、身も蓋もない言い方をすれば「地獄の沙汰は金次第」の施設だし、後者もまた、貧乏学生もその親も負担しきれない、至れり尽くせりの寄宿舎であるという点ではよく似ており、その土地の価値を最大限生かすという視点からすれば、極めて魅力的、刺激的な取材だった。

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 小生は小生なりの視点で記事を書いているので他紙と争っている感覚は全くないが、基本的にニュースは速さが勝負だ。その意味では、不動産流通研究所のweb「R.E.poot」(以下、同紙)に完全に負けた。なぜ負けたか、業界紙の記者はどうあるべきかについて以下に書く。

 東京を起点にすると、本日の取材先はそれぞれ片道だけで1時間。取材時間は1時間半から2時間。社に戻ったら17:00過ぎだった。書くのをあきらめて、家に帰りいつも通り酒を飲んだ。

 午前中の地所レジの記事はともかく、東急不の記事は同紙も書かないと高をくくっていた。同紙の記者と小生は帰るまで一緒だったからだ。同紙は18:00にアップする。書く時間は30分あるかどうか。

 ところが同紙は地所レジも東急不もきちんと記事にしているではないか。伝えなければならないことを過不足なく伝えている(と思う。言いたいことは山ほどあるが、これは同社の経営に関わること)。ひょっとしたら予定原稿をあらかじめ書いており、コメントの部分だけ追加したのか。音声入力で書いていたのか。

 この早業にうっかりしていられないと思ったのだが、それ以上に小生が感心したのは、地所レジの取材に同紙は3人の記者を送り込んでいたことだ。同紙は若手記者を育てる意味もあり、都合がつけば極力見学会などに出席するようにしているという。これは先に生きてくる。記者として一人前になるには現場を見るしかないからだ。

 同紙と比べ情けないのは他紙。地所レジの見学会に出席したのは同紙を含めて20名。午後の東急不も同じくらい。昨日の野村不動産の武蔵小金井のマンション見学会は16名(同紙は2名)。一昨日の長谷工コーポレーションの千石の賃貸マンション見学会も20名(同)いたかどうか。全て参加した記者は数えるほどしかないはずだ。

 生き方は人それぞれ。小生がとやかく言う問題でもないが、ジャーナリズムの世界で生きていこうとするならば、現場取材を積み重ねる以外に近道はない。

 逆説的に言えば、こんなに有意義で面白い現場取材にせいぜい20人くらいしか集まらないのだから、それぞれが競争相手と考えれば、圧倒的な優位な立場に立てるわが業界の記者ほどやりがいのある仕事はない。

 小生は明日も2件の取材と、夜は楽しい飲み会もあるので、今日の記事はいつ書けるのか。同紙に先を越されたのはやや悔しいが、中身で勝負する。勝てない勝負、競争はするなということだ。地所レジの老人ホーム事業と東急不動産の学生マンション事業も同じだ。それぞれの会社の担当者はしてやったりの顔をしていた。

 

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