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2019/03/07(木) 11:55

約4.5畳大の2階居室は1階と繋がる格子床 リビタ実証住宅「広がる屋根」

投稿者:  牧田司

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「広がる屋根」

 リビタとYKK APの戸建てリノベーション実証住宅「広がる屋根」を見学した。東急田園都市線たまプラーザ駅から徒歩13分の築37年の既存不適格中古戸建てを「HEAT20 G1」相当の性能を有する住宅にリノベーションしたものだ。実証実験を行ったあと、約1億円で分譲する予定。

 物件は、田園都市線たまプラーザ駅から徒歩13分、横浜市青葉区新石川に位置する敷地面積222.47㎡、建物面積119.43㎡。構造は木造在来2階建て。建築年月は昭和56年築(築37年)。改修竣工は平成30年12月。企画・事業主はリビタ。設計監理は納谷建築設計事務所。構造設計は高橋建築工房。施工は青木工務店。

 現地は、たまプラーザ駅からサクラの街路樹が見事な「美しが丘」を通り抜け、鷺沼駅とのほぼ中間にある戸建て住宅街。すぐ近くは高津公園。

 YKK APと2017年に協働した「ZEH改修の家」の実証プロジェクトで得た知見を盛り込んでいるのが特徴で、改修のポイントは、①エネルギーパスにより、エネルギー消費を見える化②断熱性能が改修前の約3倍(UA値:改修前1.81W/㎡・k⇒改修後0.51 W/㎡・k)③耐震等級3④外壁・屋根張り替え、窓交換、基礎補強⑤地盤保証、瑕疵保険付、リノベーション住宅推進協議会「R5住宅」取得予定⑦長期優良住宅認定(増改築)-など。

 既存建物は検査済証が発行されていたが、実測したところ高度斜線制限に抵触していることが判明し、既存不適格建物であったため、改修に当たりその部分を除却。西日を遮るために軒下を深くし、その上に大きな天然芝を敷いた屋上テラスにし、大半のサッシは樹脂窓Low-E真空トリプルガラスを採用している。

 リビタ分譲事業本部戸建事業部チーフディレクター・宇都宮惇氏は、「都心の住宅密集地では得られない環境を取り込み、この場所だからこそ楽しめる生活空間を計画しており、地元だけでなく中広域エリアに向けてもプロモーションしていきたい」と話している。

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1階

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床が格子状になっている2階居室(窓の外は天然芝)

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天然芝を敷き詰めた屋上テラス(居室とほとんどフラットでつながっている)

◇             ◆     ◇ 

 記者が見学したこの日(3月6日)午後1:30ころは、曇天ではあったが気温は高く、屋内の暖房は点けられておらず、UA値0.51の威力は確認できなかった。大きな窓も開け放たれていた。1階の窓際の温度は13.6℃、2階の居室は17℃前後だった。

 素晴らしかったのは、1階、2階とも床は無垢のオーク材なのもさることながら、2階の居室の居室3室のうち4.5畳大の1室は1階の4.5畳大の和室の真上にあり、スノコのような格子床になっていたことだ。

 居室として提案されているのが、インナーバルコニーと決定的に異なる点で、階下から空気が流れ、高さ約80センチの腰窓を開ければ天然芝の屋上テラスに抜ける工夫が施されていた。

 この上に布団を敷いて寝たらどんな気持ちになるのか、コップ1杯と言われる就寝中の発汗量はどうなるのか、快適だから汗はかかないのか、湿気は蒸発するのか、上と下がつながっているのでゴミ・モノ(スノコとスノコの隙間は2~3センチはあった)を落としたらどうなるのか、裸になったら下から丸見えになるのか、夫はともかく奥さんはやっぱり嫌がるのではないか(スカート穿いてたら大変じゃん=かみさん)、夫婦喧嘩の声やニンニクなどの匂いは筒抜けではないか…考えるだけで楽しくなった。3室全てがそのようなスノコ床だったら、みんなノーサンキューだろうが…。

 建物の南西側に設けられている屋上テラスの広さは約40㎡。草むしりは大変かもしれないが(芝生の種類によっては雑草を侵入させないものもあるが)、周辺は一戸建てなので眺望がまた素晴らしい。芝生に寝転ぶのも酒を飲むのも、子どもがいれば折り畳みプールで遊ぶのにも最適だ。

 UA値0.51の威力は、冬季の起床時(5~6時)のLDの室温16.1℃(H28の省エネ基準は14.5℃)というシミュレーションデータで示されている。

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2階居室の天井

 

 

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