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2019/03/11(月) 21:35

隈研吾氏+高田浩一氏「夢の匠の共演・結集」豪州社と地所レジ シドニーで372戸分譲

投稿者:  牧田司

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「Mastery(マステリー)」隈氏が担当するC棟

 三菱地所レジデンスは3月11日、オーストラリア・シドニーで開発を進めている新築分譲マンション「Mastery(マステリー)」(総戸数372 戸)の日本販売が3月から開始されたのに伴い、設計を担当した隈研吾建築都市設計事務所の隈研吾氏と、Koichi Takada Architectsの高田浩一氏などを招いてプロジェクト説明会を行った。

 同プロジェクトは、〝シドニーのマンハッタン〟と呼ばれる中心部に位置する敷地面積約16,941㎡の5階建てA棟39戸、6階建てB棟54戸、20階建てC棟144戸、7階建てD棟42戸、8階建てE棟95戸の全5棟374戸の規模。総事業費約3.85億豪ドル(日本円で約300億円)。専有面積約40~約128㎡。最終竣工は2021年。事業者は現地の不動産会社・Crown Group Holdings(事業比率70%)と同社(同30%)。日本での販売担当はスターツコーポレーション。

 説明会で隈氏は担当したC棟について、「ファサードは緑をふんだんに盛り込み、大地から樹木が伸びているような形状にし、屋上プールなども日本にないものとした。ディテールにはプラントボックスを各階に設け省エネに配慮した」などと語った。

 全体デザインとB、D、E棟を担当する高田氏は、「オーストラリアで約10年間仕事しているが、隈先生には学生のころからお世話になっており、〝建築の神様〟とご一緒できてとても光栄」と語った。ランドスケープにはバンブー(竹)を配した水景を演出する。

 高田氏は、世界的な建築賞「Best Tall Building」で「世界一」の評価となる「Best Tall Building Worldwide(世界最高の高層ビル)」を受賞した積水ハウスのシドニー中心部の複合開発「セントラルパーク・One Central Park」棟の設計にも関わっており、現地では著名な建築家として知られている。

 日本側デベロッパーとして挨拶した三菱地所レジデンスASEAN事業部部長・明嵐二朗氏は、「最近オーストラリアは土地・建物の価格上昇を抑制する政策が取られているが、現地でよく調査するとファンダメンタルは非常に強い。人口ピラミッドはわがくにの1980年代と同じような綺麗な釣り鐘型を描いており、中長期的に期待が持てる極めて稀有な国。物件はポテンシャルが高く、立地が突出しており、Crown社は理念・実績などからしてベストパートナー」と語った。

 Crown社CEO Iwan Sunito(イワン スニト)氏は、「わたしの夢である隈氏と高田氏の共演、匠の結集が実現した。オーストラリアでは初の隈氏による建築物で、(高さ規制からか)オーシャンビュー、シティビューが期待できる市内最後の物件。ジャパンタウンも盛り込む」などと語った。

 同社広報によると、価格は「地元調査会社のデータでは、建設地のWaterlooエリアの2018年7月時点のコンドミニアム平均価格は約A$0.82M/戸で、『Mastery』は約A$1.2M/戸なので約1.5倍の価格。最高級物件ではないもののラグジュアリークラスであると考えている」としている(オーストラリア1ドルは日本円で78.46円)。

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左から高田氏、隈氏、明嵐氏、イワン氏、同社ブリスカ・エドワード氏

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左から高田氏、隈氏、明嵐氏

◇       ◆     ◇

 価格についてはさっぱり分からない。記者の皆さんは坪単価450万円くらいといっていたが、現地の相場を知らなければ高いのか安いのか判断のしようがない。しかし、シドニーの一等地で、隈氏と高田氏が設計したマンション(面積不明)が約1億円というのは相当安いのではないか。

 隈氏と高田氏に日本での案件について聞いた。隈氏は「直近ではカナダのデベロッパーの北参道の計画がある。高輪? 高輪はない」と、高田氏は「日本での案件? 今は言えないが渋谷の公共建築物がある。秋には公表できる」とそれぞれ語った。

 明嵐氏についても一言。明嵐氏は平成5~6年ころの同社野球部がRBA優勝したころの主力の一人。平井幹人・常盤橋開発部長とほぼ同期。3年前に赴任し、現在、シンガポールを拠点に7か国9都市を飛び回っているとか。

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A棟(若手のデザイナーが担当)

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B棟

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D棟

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E棟

 

 

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