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2019/03/15(金) 17:54

三菱地所 1棟のCLT使用量では国内最大 「みやこ下地島空港」竣工

投稿者:  牧田司
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共用待合室
 三菱地所は3月15日、下地島エアポートマネジメントと開発を進めてきた「みやこ下地島空港ターミナル」が竣工したのに伴うメディア内覧会を行った。九州産のスギを用いたCLT材を構造屋根材として現しで採用しているのが大きな特徴で、1棟としてはわが国最大の約1,530㎥を利用している。同社のCLT事業の推進役の一人、海老澤渉氏が「世界に類を見ない」と胸を張ったように、「すごい!」の声が見学者や関係者から漏れた。
  施設は、沖縄県宮古市伊良部に位置する敷地面積約32,586㎡、地下1階地上2階建て延べ床面積約12,027㎡。RC造一部鉄骨及び木造(CLT)。設計は日建設計。施工は國場組・大米建設共同企業体。CLT工事は山佐木材。運営は下地島エアポートマネジメント。空港施設は、チェックインカウンター12カ所、搭乗ゲート3カ所、到着ロビー、国際線・国内線各1カ所など。出発ラウンジのデザインは乃村工藝社が担当。
 沖縄県が推進する下地島空港および周辺用地の利活用事業の事業者として選定され、2017年に着工、2019年3月に竣工した。
 国内線機能を拡充するとともに国際線機能も整備し、豊かな緑や自然の光を取り込み、空港に到着した瞬間から宮古諸島を離れる航空機へ搭乗する直前まで、リゾート体験を感じてもらえる施設にしているのが特徴。
 CLT材の活用はそのコンセプトの一つで、空港ターミナルとして全国初の試み。最大2×10mの大判CLT材を屋根の構造材として現しで採用しているほか、国内・国際線搭乗待合室などの大スパンの天井にも採用。1棟当たりの使用量約1,530㎥は国内最大規模。
 屋根の構造材として利用することで建物の断熱性能を高めたほか、深い庇による日射遮蔽、大開口による自然換気、気化熱空調システムなどを採用することで一次エネルギー消費68%を削減する計画で、BELSの最高ランク認定を取得している。
 内覧会で同社空港事業部統括兼下地島エアポートマネジメント常務執行役兼企画部長・平野敦士氏は「屋根に現しの構造材として利用し、待合室も大スパンの3段階空間を演出したのは誇れるのではないか」と語り、成田-下地島路線の就航が決まっているジェットスター・ジャパン代表取締役社長・片岡優氏は「まるでホテルのような素晴らしい施設を短期間で作っていただいて感謝している。プレッシャーを感じるほどだ」と絶賛した。

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搭乗手続きエリア

◇      ◆      ◇
 この施設については一昨日、同社のCLTを床材に採用したわが国初の高層賃貸マンションの記者内覧会で、CLT事業を推進している若手グループの住宅ユニット主事・海老澤渉氏が「世界に類を見ない」と自信たっぷりに話しており、その前の同社グループの三菱地所ホームの記者発表会でも加藤博文社長が「(下地島は)すごい。あれは見るべき」と語っていたので、楽しみにしていた。
 現しのCLTは予想をはるかに超えた。その美しさといい、最大10mの天井高、大空間に声を失った。これまで見た木造非住宅ではポラスの職業訓練校や三井ホームの老人ホーム、ナイスの高齢者施設なども素晴らしかったが、やはり今回の施設に軍配を上げる。どのような構造計算でこのような大空間を実現したのか。この日の内覧会では残念ながら聞くことができなかった。
 

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