「みやこ下地島空港」竣工内覧会を報じる「宮古新報」
この日(16日)、午前11時にホテルをチェックアウトする際、前日の「みやこ下地島空港」竣工内覧会を地元紙はどう報じているかを確認した。
「宮古新報」(全8ページ)は1面で取り上げ、6面は全ページを割いて写真特集としていた。ところが、記事には「CLT」は一言も触れられていなかった。
「沖縄タイムス」も読んだが、3段見出し記事の中にはやはり「CLT」の記述はなし。
唯一取り上げていたのは「琉球新報」だったが、記事は「特別な工法で強度を上げた『CLT(直交集成材)』と呼ばれる木材を使用した」となっていた。
3紙とも成田-下地島路線の就航が決まっているジェットスター・ジャパン代表取締役社長・片岡優氏の囲み取材の模様を詳しく伝えていた。
これには落胆した。内覧会で三菱地所空港事業部統括兼下地島エアポートマネジメント常務執行役兼企画部長・平野敦士氏は「国内最大のCLT材を採用した」としっかり説明した。
にもかかわらず、地元2紙は一言も触れず、琉球新報も「特別な工法で強度を上げた」と、間違いではないが正確ではない捉え方をしていた。
国内外の旅行客はあの圧倒的な木造の大空間に魅入られるはずだ。その魅力を地元紙も取り上げていただきたい。
三菱地所はどれほど「CLTの現し」の価値があるかをもっと分かりやすく伝える必要がある。RC造と組み合わせ、面積要件をクリアしたのだろうが、記者もどうして耐火・防火基準をクリアしたのかいまだによく分からない。
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中丸氏
宮古島に住んだことがある中丸三千繪氏の熱唱に約400名の参加者が酔いしれたことを書いた。冒頭の三菱地所・吉田淳一社長の挨拶に続いて来賓として祝辞を述べた内閣府特命担当大臣・宮腰光寛氏、沖縄県知事・玉城デニー氏、宮古島市長・下地敏彦氏には失礼だが、中丸氏は完全に主役の座を奪った。
小澤征爾氏の指揮で日本デビューし、ルチアーノ・パヴァロッティと共演し、ベルサイユ宮殿でダイアナ妃のユネスコ活動を支援するコンサートを行なうなど世界的に知られた中丸氏がまさか30分も歌われるとは夢にも思わなかった。美智子皇后陛下が作詞された「ねむの木の子守歌」も披露された。鳥肌が立った。
中丸氏は3月30日の開業日には国歌を斉唱されるのだそうだ。
ピアノを担当したのはクロアチアで活動する安達朋博氏だった。YAMAHAの電子オルガンには苦労されたのだろうが、違和感はなかった。
それどころか、これほど心地よく聴こえるのはCLTの音響効果もあるのかと、同社の音響に詳しい女性広報担当に聞いた。彼女は「床のコンクリなどは音の反響が大きく、全体としてはどうか」と語った。CLTと音響効果を研究してほしい。よくないハスはないと思うが…。
ピアノを担当した安達朋博氏(グランドピアノは宮古市には1台しかないという)