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2019/03/26(火) 11:22

防災アンケート回収率1割 なぜ 大阪市北区/管理員の処遇改善 喫緊の課題

投稿者:  牧田司

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協定締結式に臨んだ鈴木氏(左)と上野信子・北区区長(北区ホームページから)

 なぜ、なぜ、なぜ――2週間前の3月14日に行われたマンション管理業協会(管理協)の記者懇談会で話題になったことが頭から離れない。

 それは、同協会副理事長で関西支部長の鈴木清氏(阪急阪神ハウジングサポート代表取締役)が語った次のことばだ。

 「この種の取り組みは全国初だが、北区が実施した区内360のマンション管理組合を対象とした防災に関するアンケートの回収率は1割だった」

 この種の取り組みとは、今年1月に大阪市北区とマンション管理業協会関西支部が地域のコミュニティの推進、防災・減災及び災害対応、福祉・子育て支援の充実などを図ることを目的とした連携協定を締結したことを指す。

 これを聞いてわが耳を疑った。そんな低いはずはないと。そこで、北区担当者にも確認した。鈴木氏の指摘は間違いではなかった。

 北区担当者は「アンケートは全て郵送で、実施したのは昨年2月。防災に関する質問が主で、今回の協定締結につながるような意向も示しました。ところが回答があったのは360組合のうち30組合のみ。担当者が各マンションに出向き、手渡しで行えばまた違った結果にかったかもしれませんが、職員もそんな余裕はありませんし。区内には投資用のマンションも少なくないので、回収率の低さの一因かもと考えているのですが…」と、低い回収率の原因をつかみかねている様子だった。

 記者は「大阪市北区」はいったいどこにあるのかも知らないが、ネットで調べたら「東京都北区」とは全く異なる、梅田や中之島がある市の中心地だった。東京都でいえば千代田区か中央区のようなエリアだ。

 そのような中心地を対象にした区の防災に関するアンケート調査の回収率が1割とは…。これはしっかり考えないといけない。

◇       ◆     ◇

 実はもう一つ、小生の胸の内で熾きのようにくすぶり続けているものがある。管理員と思われる奥さんからのメールだった。劣悪、過酷な処遇が連綿とつづられ、「藁をもすがる思い。何とかして」と認められていた。事実関係が分からない小生は「わたしにできることは何もありません」としか返事のしようがなかった。

 この日の懇談会でも、ゴミ出しに関する問題提起が報道陣からなされた。小生などはほとんど考えたこともないが、いまのマンションは24時間ゴミ出しOKになっており、それぞれのゴミを分別し、回収日に合わせて運ぶのも管理員だ。夏場のゴミ置き場はどのような状態なのかを想像するだけで息が詰まる。小生は管理員の掃除をつぶさに見学したことがあり、そのプロ意識の高さ、完璧な仕上がりに驚嘆したことがあるが…。

 マンション管理員の処遇改善は喫緊の課題であることを管理協も認識しており、今年7月をめどに管理員の労働実態をまとめるという。高齢化、なり手不足、賃金の低さなどが明らかになるはずだし、今後どうするのか、管理組合と一緒になって考えないといけない。

〝掃除は科学 床は朝日、窓は読売〟 マンション管理員のスゴ技を1日体験(2017/2/25)

 

 

 

 

 

 

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