ポラスグループの中央住宅が分譲中のマンション「ルピアコート新越谷」を見学した。駅から徒歩5分の全85戸で、エリア最高単価の坪210万円ながら残りは数えるほど。痒いところに手が届く主婦目線の企画が光っている。
物件は、東武スカイツリーライン新越谷駅から徒歩5分、JR武蔵野線南越谷駅から徒歩6分、越谷市南越谷一丁目の第1種住居地域に位置する8階建て85戸。専有面積は62.81~72.24㎡、現在分譲中の2期(4戸)の価格は3,498万~5,188万円。坪単価は210万円。竣工予定は2019年8月下旬。施工は川口土木建築工業。販売代理は東京中央建物。
今年2月から分譲を開始し、第1期52戸を即日完売するなど、残りは未分譲の6戸を含め12戸。極めて好調に推移している。
現地は、道路を隔てて東武スカイツリーラインの高架線があるが、2000年以降に市内で分譲された76物件のうち新越谷・南越谷駅圏は4物件しかなく、住居系エリアの50戸以上に限定するとこの1物件しかない希少性が評価されたという。
敷地は東西軸がやや長い長方形で、建物は南向き中心のL字型。専有面積圧縮型だが、63㎡の住戸でもスパンは6.5~8.1m、70㎡台は6.5~8.3m確保したワイドスパンが特徴。
主な基本性能・設備仕様は、二重床・二重天井、リビング天井高2400~2500ミリ、ピアキッチン(33戸)、幅2400ミリの大型食器棚、食洗機、出窓、片寄マイギャラリー、開閉式ルーバー付き窓付き浴室窓など。
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坪単価は210万円くらいだろうと予想したが、どんぴしゃりだった。同社としてはかなりのチャレンジ価格だという。
しかし、商品企画、設備仕様は同業他社の坪250~300万円くらいのマンションとそん色ないどころか、はるかに上回っていると言えるほどレベルが高い。
例えば、他社はほとんどオプションにしている幅2400ミリのバックカウンター付き収納。実用新案を取得済みのピアキッチンと合わせればこれだけで200万円くらいするはずだ。
このほか、出窓、吹き抜けを設けプライバシーに配慮した居室、引き戸は開閉とも全てソフトクローズ機能付き、ドアノブはプッシュプル、クレセントを1400ミリの高さに設置したサッシ、洗面・トイレのちょい置きスペース、開閉式ルーバー付き浴室窓、フチレス便器、バルコニー隔板下の立ち上がり、玄関脇の傘掛け、通風機能付き玄関ドア、タッチレス水栓…。一つひとつは他社も採用しているが、これほど至れり尽くせりの設備を装備しているマンションはまずないはずだ。
同社のマンション供給エリアは埼玉や城東などに限定されているので他社には脅威にならないかもしれないが、バッティングしたらまず勝てない。逆に言えば、ここまでやらないと厳しい市況を乗り切れないということだ。〝右に倣え〟の商品企画・設備仕様の退化・退行を改めないと、みんな大手デベロッパーに飲み込まれる。