明和地所が分譲中の「クリオ藤沢セントラルマークス」を見学した。現在、藤沢駅圏はファミリーマンションが大量に供給されており大激戦だが、同社は駅から徒歩3分の利便性と、コンパクトながら内廊下方式のワイドスパンのプランの優位性を前面に打ち出しており、販売も順調に進んでいる。
物件は、JR藤沢駅・小田急藤沢駅南口から徒歩3分、藤沢市鵠沼橘1丁目に位置する13階建て全60戸。近く分譲する第1期2次(5戸)の専有面積は32.75~63.52㎡、価格は3,100万円台~5,400万円台。平均坪単価は300万円前後。竣工予定は2020年12月中旬。設計はSD建築企画研究所。施工は小柳建設。
5月下旬から販売を開始しており、第1期の20戸くらいに販売のめどがついており、順調なスタートを切った。
現地は、駅南口から徒歩3分の商業地域立地だが、嫌悪施設はほとんどない。建物は北西道路に面しており、内廊下方式の1フロア5戸構成。角住戸比率は80%。
住戸プランはワイドスパンが特徴。南西向きの52㎡角住戸は8.3×6.85m、南東向きの63㎡角住戸は8.3×7.95m、北西向きの32㎡中住戸もスパンは4.4m。主な基本性能・設備仕様は、二重床・二重天井、ディスポーザー、食洗機など。
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同社は5月20日、2022年3月期を最終年度とする中期経営計画を発表。マンション分譲事業は年間1,000戸前後の安定的な事業展開を図り、流通事業の取扱いを積極的に拡大し、最終年度に売上高612億円(2019年3月期499億円)、営業利益45億円(同30億円)を目指すと打ち出した。
記者は、同社の創業時からずっとマンションの取材を行ってきた。マンション事業は首都圏も地方圏も競争が激化しており、年間1,000戸供給体制は容易なことではない。他社を凌ぐためには用地取得力を高めることだろうが、やはり今回のような他社との差別化をどう進めるかがカギを握ると思う。
もう同社の営業マンですら知っている人はいないかもしれないが、ディスポーザーを最初に採用したのも、100㎡マンションを積極的に供給したのも同社だ。少なくとも「国立」問題までは商品企画力が突出していた。
商品企画・デザイン力でいま大手に負けない中堅デベロッパーはモリモト、コスモスイニシア、大和地所レジデンスの3社だと思うが、同社もこの一角を占めてほしい。商品企画を武器に当時の輝きを取り戻してほしい。