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2019/06/25(火) 16:52

ポラス2019年3月期 売上高2,163億円 分譲戸建て契約2,654棟 ともに過去最高

投稿者:  牧田司

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中内氏

 ポラスグループは6月24日、2019年3月期決算を発表。売上高は2,163億円(前年比8.4%増)、営業利益は129億円(同5.2%増)、経常利益は137億円(同7.2%減)、当期純利益は38億円(同9.7%減)となり、売上高は過去最高、2,000億円を初めて突破した。

 セグメント別では、分譲住宅契約が2,654棟(同15.4%増)と過去最高となり、マンションも「浦和美園」や「新越谷」が好調で、契約戸数は468戸(同82.8%増)とこちらも過去最高。

 戸建て注文住宅の契約棟数は576棟(同15.7%減)となり、分譲と注文の合計契約棟数は3,230棟(同8.3%増)となった。

 プレカット事業などを手掛けるポラテックは、5工場体制による生産量の拡大や木造非住宅の強化により、売上高は810億円(同6.6%増)となり3期連続で過去最高を更新。

 その他、仲介手数料は23億円(同7.6%増)、リフォーム受注高は79億円(同8.3%増)。

 2020年3月期の連結業績予想は、売上高2,250億円(前年比4.0%増)、経常利益150億円(同9.0%増)としている。

 発表会に臨んだ中内晃次郎・ポラスグループ代表は「2019年は創業50周年の記念すべき年であり、次の50年を誇りある未来にすべく『自他共存』の経営を推進し、圧倒的に美しい街づくり、デザイン・技術に優れた住まいの提案によるエリアシェアの強化を進める」と語った。

◇       ◆     ◇

 記者が驚いたのは、品川典久・中央住宅社長が、総じて好調に推移している分譲住宅について語った中で、「江東、墨田などの城東エリアは、1宅地12、3坪の4,000万円を切る価格ありきの市場の中で苦戦している。数年前の年間140~150戸をピークに販売棟数は減少しており、昨年度は78棟に落ち込んだ。深刻な状況。より豊かな暮らしを提案する当社の経営理念からしてそのような戸建てとは競争したくないが、対策を考えないといけない」と話したことだ。

 記者は、昭和50年代から60年代の前半にかけて徹底してミニ開発を批判する記事を書いた。定義は難しいが、概ね一宅地が30坪以下の数棟現場の建売住宅とした。

 当時、都内の各区は開発指導要綱でミニ開発を排除する動きを示していたが、ひどい事例では、例えば60坪の土地に開発申請時は長屋として申請し、完成後は切り離した実質一宅地15坪の建売住宅がかなり供給された。ミニ開発のほとんどが建基法違反だった。そのような住宅を専門に分譲する業者が暗躍した。

 事態を重く見た都市銀行などは一宅地30坪未満の戸建て分譲に対しては融資をしない措置を取った。

 その後、時代は変わった。違反建築物はかなり減ったはずで、都市型戸建てに都市型3階建ても加わり、平成14年の都市計画法の改正により、自治体が面的な規制により最低面積を定めやすくなった背景もあり、一概に狭小住宅を「悪」と言えない市場(住宅は「幸せ」を売る商売であり、消費者が支持するものを「悪」と決めつけるのは難しい)が形成されているのも事実だ。

 それでも、この問題は等閑視できない。どうして一宅地12、3坪の分譲が可能なのか、各区の対応はどうなっているのか、銀行融資はどうなっているのかなど時間をかけてでも取材して記事にしたい。

 品川社長、そんな家とも呼べないような戸建てと競争などしないでいただきたい。きれいさっぱりそんなエリアと決別すべきだと思う。自治体の首長は、街のポテンシャルを引き下げるような戸建てをどうして放置しているのか。銀行はどうなっているのか。

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品川氏

◇       ◆     ◇

 決算発表会は記者懇親会とセットで行われているもので、記者も末席を汚している。懇親会ではいつも同社グループの料亭のような飲食店がつくった1500キロカロリーはありそうな弁当が配布され、酒も提供される。

 記者はカロリーを気にしながら、きれいな女性からビールを勧められて断るのも失礼だと思い、一生懸命食べかつ飲んでいたら突然、「牧田さん、何かありませんか」と同社の広報マンから声がかかった。

 一瞬ひるんだが、ただで弁当を貰いビールを飲ませてもらったのに何もしゃべらなければ、もう二度と声がかからないのではと思い、同社のマンションと戸建てについてひとこと話した。

 マンションについては、「ルピアグランデ浦和美園」の商品企画を褒め、戸建てでは、数年前に三井不動産レジデンシャルが分譲してよく売れた「ファインコート浦和美園」の施工がポラテックであり、三井レジは「施工がポラスグループ」であることをパンフレットで大々的に扱ったことを紹介した。

 広報マンは「うちの物件の取材をたくさんやってください」とまぜっかえしたので、「それは違う。ポラスの物件の取材ばかりしていたら、他社の商品企画がわからない。たくさんみて比較検討することが大事」だと言い返してやった。

 どうもハウスメーカー担当の記者の方は、デベロッパーのマンションや戸建てを取材しない。これじゃ正確な市場を把握できないと思う。最近の分譲戸建てのリビング天井高が高くなってきたのは、間違いなくポラスの影響だと思う。

2018年 記者が選んだ「ベスト3マンション」(2018/12/20)

三井レジ 埼玉で珍しい都市型戸建て「浦和美園」人気 施工はポラテック(2016/1/15)

 

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