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2019/06/26(水) 17:36

分譲戸建て工事額・坪単価・広さ 長野県が1位 平成30年度 国交省住宅着工統計から

投稿者:  牧田司

分譲戸建て2.jpg  ⇒PDFの画像文書1.pdf

 別表は、国土交通省の住宅着工統計から平成30年度の分譲戸建て住宅の都道府県別戸数、1戸当たり工事予定額、坪単価、1戸当たり広さを調べ一覧にしたものだ。

 この表から何が分かるか。まず、着工戸数。戸数が多いのはトップの東京都をはじめ神奈川、埼玉、愛知、千葉、大阪の順。逆に少ないのは鳥取、島根、徳島、高知、長崎の順。

 戸数が多いのは大都市圏であり、少ないのは人口の少ない県であるのは当然だが、宮城県、広島県、熊本県などが比較的多いのは自然災害の影響か。

 一戸当たり工事予定額は全国平均で1,564万円(坪単価49.8万円)となっており、多くの都道府県は平均値の前後の数値になっている。しかし、長野県は2,109万円と突出しており、隣の山梨県が1,933万円で2位。台風対策のためなのか高知県、沖縄県、三重県が1,800万円を超え、北海道、島根県なども比較的高い。低いのは宮崎県の1,383万円で、全国で唯一1,400万円を割っている。以下、福井県、滋賀県、和歌山県、石川県などが続く。

 坪単価は全国平均で49.8万円。トップは長野県の60.4万円で、以下、沖縄県、高知県、山梨県などが50万円台の後半。低いのは福井県の41.6万円で、石川、滋賀県、群馬県などが続く。長野と福井では実に18.8万円の差がある。

 一戸当たりの広さでは、全国平均は31.4坪。全国でもっとも広いのは長野県の34.9坪。以下、岐阜県、富山県、三重県、福井県、石川県が続く。狭いのはもちろん地価が高い東京の28.6坪で、京都府、青森県、神奈川県などが30坪を切っている。長野と東京の差は6.3坪。12畳大以上だ。

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 面白いのは長野県だ。どうして住宅にお金を掛けるのか理由は分からないが、豪雪対策か地震対策か、健康住宅が浸透しているためか、それとも「海こそなけれ物さわに 万(よろ)ず足らわぬ事ぞなき」の長野県歌を知らない人はいないという勤勉で自立心が強く、反中央集権的県民性によるのか。少し昔だが、学校の図書館には「資本論」が備えられていたそうだ。

 長野県宅地建物取引業協会事務局に聞いた。「個人的な見解ですが、土地が30坪の分譲戸建てなどはほとんどなく、車がないと動けない山岳部も多く、寒冷地でもあり、車が置けるスペースや防寒対策に費用をかけたりしているからではないか。飯田グループ? ほとんど聞きません。圧倒的に多いのは大手のハウスメーカー」とのことだった。

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 もう一つ、分譲戸建てのガリバー企業、飯田グループホールディングスの影響が全国の分譲戸建て市場に大きな影響を及ぼしていると考えざるを得ない。

 同社グループの2019年3月期の売上計上戸数は44,677戸で、単純比較はできないにしろ2018年度の住宅着工戸数の実に30.9%を占める。1戸当たり価格は2,678万円。土地代と建物価格の割合は分からないが、建物価格は坪30万円台のはずで、圧倒的な価格優位性を誇っている。

 参考までに同社グループの空白区を紹介すると、富山県、鳥取県、島根県、高知県、長崎県、宮崎県の6件のみ。

ヒートショック予備軍 最多は千葉・宮崎 最少は長野 リンナイが都道府県ランキング(2018/11/3)

 

 

 

 

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