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2019/06/28(金) 10:35

なぜ多摩センターはないのか 長谷工アーベスト「住みたい街(駅)ランキング」不思議

投稿者:  牧田司

 長谷工アーベストは6月27日、首都圏居住のモニターを対象に実施したWEBアンケート形式による「住みたい街(駅)ランキング」の調査結果をまとめ発表した。有効回答数は3,166件。

 首都圏総合ランキングは、「吉祥寺」が調査を開始して以来15回連続の第1位、第2位は「横浜」第3位は「大宮」。「大宮」は前回13位からの浮上。

 このほか「中野」が15位から6位に、前回18位の「立川」が7位に、前回11位の「赤羽」が8位に入り、初のトップ10入り。

 ポイント制を加えた都県別ランキングでは、東京23区は「新宿」、東京市部は「吉祥寺」、神奈川は「横浜」、埼玉は「大宮」、千葉は「船橋」がそれぞれ1位。

◇      ◆     ◇

 この種のランキングが発表されるたびに記者はうんざりする。アンケート回答者の居住地、年代、家族数などは全てトータルしてパーセンテージでしか公表されない。知りたいのはそれぞれどのような層のひとが「住みたい街(駅)」にどんな魅力を感じているのか、さらにまた、記者は最も大事だと思っているのだが、その「住みたい街(駅)」に住める可能性についての調査が欠落しているのが決定的に問題だと思う。そもそも「住む」とはどういうことなのかあいまいだ。

 ベスト3の「吉祥寺」「横浜」「大宮」は、マンションなら坪単価は場所によっては500万円以上で、もっとも安くても徒歩圏なら250万円はくだらない。アンケート回答者のうち購入できる人は果たして何人いるか。「吉祥寺」も「大宮」も雑多な街だし、「横浜」だっていいのは、山手、桜木町の一角だ。

 「新宿」と「渋谷」がそれぞれ4位、5位に入っているのも解せない。記者は、「渋谷」の高級住宅街を除けば住むところではないと思っている。「新宿」はキャッチバーにつかまって有り金全てを吐き出させられたところだし、「渋谷」は永遠の愛を誓った場所ではあったが、見事に捨てられた場所でもある。今でもトラウマになっている。

 それならどうして「東京」はベスト20にも入らないのか。小生はお金があったら、「東京」に住みたい。皇居を見降ろすのは畏れ多いが、坪単価にしたら最低でも坪3,000万円の価値があると思う。

 「赤羽」が8位なのは結構なことだと思う。いま長谷工コーポレーションが施工したマンションが分譲中だし、北区も〝住めば北区〟のキャンベーンを展開しているのが奏功したのかもしれない。

 だがしかし、もっとも理解できないのが、どうしてわが「多摩センター」は東京市部のベスト10にも入らないことだ。ベスト10には「吉祥寺」「調布」「府中」「八王子」「高尾」の5つの京王線沿線の街(駅)が入っているのは嬉しいが、「多摩センター」が無視され「高尾」が入るなんて信じられない。

 同社のニュース・リリースには、1位の「吉祥寺」について「住みたい街ランキングの常連の街であり、自然と都会的な部分のバランス感覚が優れていると感じるから。道を一本入ると庶民的な雰囲気が今なお漂っていて、飲食店数が多いので住みやすそうだと感じます」(20代・単身)とのコメントが付いているが、これはこのままそっくり「多摩センター」にも当てはまることだ。

 一つひとつ書かないが、多摩センターほど広範囲に歩車分離の街が形成されているところはわが国にない。少なくとも街を歩いていて、車が突っ込んでくるリスクは皆無だし、子どもも大人も交通事故にあう可能性は極めて少ない。

 デパートはなくなったが、ホテルがあり宴会もできる。コンサートホールだってある。飲食はみんなチェーン店になってはまったが、絶滅危惧種の草花をめでることもできる。風俗系の店もラブホテルだってあるし(なくなったか)、京王閣、府中競馬場にも近い。長谷工の立派な研究所だってあるではないか。

 同社も含めこれから調査する機関は、アンケートを実施する際に、街(駅)の特徴や土地やマンションの相場なども伝えるべきだと思う。だれもが実現できない街(駅)を「住みたい街(駅)」ランキングとして調査する意味なんてどこにあるのか。みんな〝住めば都〟ではないのか。

  記者がアンケートするなら、「住みたい街(駅)」ランキングではなく、「住める街(駅)」ランキングだ。こちらのほうが消費者の役に立つ。そのうち自分でやろうかしら。

 

 

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